ウイスキーとジンの違いとは?味や健康面の影響・おすすめ銘柄を徹底解説

ウイスキーとジンの違いとは?味や健康面の影響・おすすめ銘柄を徹底解説

ウイスキーとジンはどちらも蒸留酒ですが、製法や原料は大きく異なります。
味わいや楽しみ方にもそれぞれ特徴があり、飲み慣れていない場合はどちらを試せばいいのか迷うところかもしれません。

「どちらが飲みやすいの?」「体への影響の違いは?」「カロリーや糖質が気になる…」と思うこともあるのではないでしょうか。

この記事では、ウイスキーとジンの原料や製法の違いから、健康面への影響、初心者におすすめの銘柄まで徹底的に解説します。
お酒選びの参考に、また健康的な飲み方のヒントとして、ぜひ活用してみてください。

この記事を書いた人
まむ
  • 都内オーセンティックバーの元バーテンダー
  • ウイスキーエキスパート所持

ジンやウイスキーを中心に、これまで300種類以上のお酒を飲んできました。実体験をもとに、「本当に美味しい」と思ったお酒を紹介します。

目次

ウイスキーとジンの違い

ジンとウイスキーのボトル

ウイスキーとジンはどちらも蒸留酒に分類されるお酒ですが、原料や製法、そして味わいは大きく異なります。

ウイスキージン
原料大麦やトウモロコシ、ライ麦などの穀物穀物とジュニパーベリーを含むボタニカル(香草や薬草)
製法発酵・蒸留後、木樽で熟成発酵・蒸留後にボタニカルで風味付け
味わい穀物の甘み、樽由来の複雑な風味ボタニカルのハーブ香、爽やかな風味

それぞれの違いについて、解説します。

原料の違い

ウイスキーの原料である大麦

ウイスキーとジンでは、お酒の個性を決める原料が異なります。

ウイスキーの場合、モルトウイスキーであれば大麦麦芽を100%使用し、グレーンウイスキーではトウモロコシや小麦、ライ麦などを使います。
これらの穀物の種類や配合が味わいの土台となっており、ウイスキーは原料である穀物の個性が活きた蒸留酒といえるでしょう。

一方のジンはベーススピリッツ(蒸留酒)にボタニカルで風味付けされるお酒で、スピリッツの原料は大麦や小麦、ライ麦といった穀物です。
風味付けするボタニカルとは香草や薬草類のことで、最も重要なボタニカルがジュニパーベリーです。
ジュニパーベリーはすべてのジンに必ず使用される原料で、これに加えてコリアンダーやアンジェリカルート、カッシアや柑橘類の皮といったさまざまな植物がボタニカルとして使用されます。

ジンのボタニカルについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

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製法の違い

ウイスキーをつくるポットスチル

ウイスキーとジンは製造方法が異なります。

ウイスキーの場合、まず穀物を発酵させてもろみをつくり、蒸留後に木樽で貯蔵します。
木樽の中で長期熟成させることがウイスキー最大の特徴で、この過程で原酒は琥珀色に変化し、木樽の成分が穀物の風味に深く溶け込んでいきます。
国によって最低熟成年数や蒸留時の規定は異なるものの、ウイスキー製造における「熟成」は世界共通の重要なポイントです。

一方のジンも、基本的には最初はウイスキー同様に穀物を蒸留し、ベーススピリッツをつくるところから始まります。
蒸留後のスピリッツは貯蔵せず、ボタニカルで風味付けされます。
ボタニカルを直接スピリッツに漬け込んだ後に再蒸留するのがジンの基本の製法ですが、風味付けの方法は蒸留所によって異なります。

製法の違いにより、ジンはさらに「Gin(ジン)」「Distilled Gin(蒸留ジン)」「London Gin(ロンドンジン)」の3つに分けられます。

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味わいの違い

ウイスキーを味わう前に乾杯する人たち

ウイスキーとジンは、原料と製法の違いからまったく異なる味わいとなります。

ウイスキーは樽熟成による複雑で奥行きのある風味、まろやかな口当たりが特徴です。
木樽由来の香りや柑橘系の香り、フルーティーな味わい、カカオのような風味など、銘柄によって多種多様な味があります。

ジンは、ジュニパーベリーによる松やヒノキを思わせる香りが特徴です。
爽やかで華やかな香りを持つ銘柄が多く、そこにさまざまなボタニカルの風味が重なります。
柑橘系の爽やかさ、スパイスのピリッとした刺激、ハーブの清涼感など、使用するボタニカルによって風味が変化するのがジンの魅力といえるでしょう。

ウイスキーとジン、どちらが体に優しい?

たくさん並んだウイスキー

「ウイスキーとジン、どちらが体に良い?」「どちらが太りにくい?」といった疑問をもつ方も多いのではないでしょうか。
実は、ウイスキーとジンは同じ蒸留酒であり、カロリーや糖質、体への影響に大きな違いはありません
体に優しく飲むための重要なポイントは、どちらを選ぶかということよりも「飲み方」といえるでしょう。

両者のカロリーや糖質などを比較しつつ、健康を意識した飲み方のポイントを紹介します。

ウイスキーとジンのカロリー

カロリーをスマホで調べる人

基本的なカロリー量は、ウイスキーとジンの間に大きな差はありません。
100mlあたりで比較すると、ウイスキー(40度)とジン(40度)はどちらも約220kcal。
43度になると、約240kcalとやや高くなります。

ただし、このカロリーはそのまま飲酒した時の場合であり、実際の飲用時のカロリーは飲み方で大きく変わります。

飲み方別のカロリー(1杯分)

・ウイスキーのストレート(30ml):約67kcal
・ジンのストレート(30ml):約67kcal
・ハイボール(45ml、無糖の炭酸を使用):約100kcal
・ジントニック(ジン45ml、トニックウォーター120ml、ライム果汁):110~120kcal

お酒自体のカロリーはほぼ同じですが、飲み方の違いが摂取カロリーに大きく影響します。
カロリーを抑えたい場合は、糖分の少ない割り材を選ぶようにしましょう。

ウイスキーとジンの糖質

角砂糖

ウイスキーとジン、実は両者とも糖質は0gです。
これは蒸留酒の特徴によるもので、蒸留という製法により原料に含まれていた糖質が全て取り除かれているためです。
ここでも注意したいのが、飲み方による糖質量の変化です。

飲み方別の糖質(1杯分)

・ストレート/ロック:0g
・ハイボール(無糖の炭酸を使用):0g
・ジントニック(トニックウォーターとフレッシュライムを使用):8~10g
・コークハイ:20~30g

お酒自体に糖質は含まれていませんが、割り材で糖質は変わります。
糖質を抑えたい場合は、トニックウォーターの代わりに無糖のソーダで割ったり、シロップではなくフレッシュレモンやライムを活用したりするのがおすすめです。

健康的に楽しむためのポイント

ウイスキーのカクテル

ウイスキーとジンはどちらも蒸留酒で、カロリーや糖質、アルコールの代謝スピード、二日酔いのなりやすさといったことに関して、大きな違いはありません。

どちらのお酒も「どう飲むか」が大切なポイントで、適量を守ることが基本です。
割り材の影響が大きいので、糖分の少ない炭酸にしたり、甘みの強い果汁は控えめにするといった工夫が効果的
お酒と一緒に水も飲むことで、二日酔いにもなりにくくなります。

初心者におすすめのウイスキー

ウイスキーを飲み慣れていない初心者の方は、個性的なものよりもクセが少ない銘柄や、定番の銘柄を選ぶと良いでしょう。
ほのかな甘みがあって飲みやすく、ストレートからハイボールまで幅広く楽しめる銘柄がおすすめです。

手ごろな価格で手に入りやすく、飲みやすい定番の銘柄を3つ紹介します。

  • モンキーショルダー
  • メーカーズマーク
  • グレングラントアルボラリス

モンキーショルダー

モンキーショルダー

スコッチでも特に飲みやすく人気のある銘柄のひとつが「モンキーショルダー」です。
ブレンデッドモルトウイスキーで、グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィという3つのスペイサイドの蒸留所がキーモルトです。

「ミキシングのためのモルトウイスキー」というコンセプトで開発されているため、ハイボールやカクテルで飲むには最適
ロックでももちろん美味しく楽しめ、洋梨やバニラ、チョコ、ハチミツといった甘い香りが特徴です。

ボトルに描かれた3匹のサルがキュートで、ウイスキー好きな方へのギフトや手土産としても重宝する銘柄です。
ギフトやウイスキーデビューにぴったりな、万能なボトルといえるでしょう。

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メーカーズマーク

メーカーズマーク

「メーカーズマーク」は、赤い封ろうが特徴のバーボンウイスキーです。
通常のバーボンはコーンやライ麦などが使用されていますが、メーカーズマークはライ麦の代わりに冬小麦が使用されているため、小麦由来の優しい甘みと穏やかな口当たりが堪能できます。

バーボン特有のスパイシーさや力強さが抑えられており、バニラやキャラメルのような甘い香りが楽しめるため、普段スコッチやジャパニーズウイスキーを飲み慣れている方もスムーズに楽しめるでしょう。

ロックはもちろん、ハイボールやカクテルでも美味しく味わえるので、ウイスキーデビュー・バーボン入門にピッタリのボトルです。

グレングラント アルボラリス

グレングラントアルボラリス

グレングラント アルボラリスは、スペイサイドにあるグレングラント蒸留所が手がけるシングルモルトです。
「アルボラリス」はラテン語で「木漏れ日」を意味し、その名のとおり明るく爽やかな味わいが特徴です。

スペイサイドモルト特有のフルーティーさと華やかさに加え、バタースコッチやバニラのような優しい甘み、そして爽やかなシトラスの風味が調和した親しみやすい味わいです。
バーボン樽とシェリー樽で熟成されたノンピートの原酒がヴァッティングされており、バランスの取れた味わいといえるでしょう。

ロックで飲めば洗練された甘みとフルーティーさが際立ち、ハイボールにすれば爽やかさが引き立ちます。
シングルモルトの中ではリーズナブルでコストパフォーマンスに優れており、ウイスキー入門の1本としておすすめです。

初心者におすすめのジン

ジンを飲みなれていない初心者の方には、まずはボタニカルの主張が強すぎない、バランスの取れた味わいの銘柄がおすすめです。

長年愛されている定番の銘柄で、ジントニックやジンリッキーといった王道のカクテルでも美味しく飲めるジンが良いでしょう。
飲みやすく手に入りやすい、加えてリーズナブルな3つの銘柄を紹介します。

  • ボンベイサファイア
  • ゴードン
  • タンカレー

ボンベイサファイア

ボンベイサファイア

美しいブルーボトルが特徴の「ボンベイサファイア」は、10種類のボタニカルを使用した本格派のドライジンです。

ヴェイパー・インフュージョン(蒸気抽出法)という製法により、繊細で華やかな風味を実現しており、シトラスとフローラルな香りがバランス良く調和しています。
スムースな口当たりと長く続く余韻が特徴で、長年愛されている人気の銘柄です。

シンプルなジンライムやジントニックにピッタリで、ジンを初めて飲む方にもおすすめできる1本です。

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ゴードン

ゴードンジン

250年以上の歴史を誇る「ゴードン」は、世界で最も愛されているジンのひとつで、カクテル「ジントニック」の生みの親としても知られています。

ジュニパーベリーの爽やかな香りとハーブの風味がバランスよく調和した王道のドライジンで、創業時から変わらぬクラシックな製法でつくられています。

カクテルベースとしての実力は十分で、特にトニックウォーターと合わせた「ゴードン&トニック」はおすすめの定番カクテル。
ジンジャーエールやソーダで割っても美味しく、さまざまなカクテルのベースとして楽しめるジンです。
高品質でコストパフォーマンスが高く、ジンを飲み始める最初の1本としても。デイリージンとしても最適な銘柄です。

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タンカレー

タンカレー

「タンカレー」は1830年創業の歴史あるジンで、4回蒸留によるキレのある味わいと特徴的なボトルデザインで知られています。

4種のボタニカル(ジュニパーベリー、リコリス、コリアンダー、アンジェリカルート)による、ハーバルで爽やかな味わいが楽しめ、創業以来200年近く変わらぬ製法でつくられています。

ロックやストレートならボタニカルの風味を存分に楽しめ、ジントニックやジンライムでも力強く爽快な味わい。
ドライで洗練された味わいを求める方におすすめしたい、クラシカルな本格派ジンです。

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最後に

ジンのカクテル

ウイスキーとジンは同じ蒸留酒であるものの、製法や味わいは異なります。

ウイスキーは樽熟成による深い味わいが特徴で、ジンはボタニカルによる爽やかな香りが魅力。
カロリーや糖質は同程度で、どちらも蒸留酒として体への影響に大きな差はありません。

好みの味わいや飲み方に合わせて選び、両者の違いを楽しんでみてください。

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