「ウイスキープライム」はセブン&アイ限定の国産ウイスキーです。
リーズナブルだったので試しに購入しましたが、結論から言うとあまり美味しいと思えませんでした。

個人の感想です!
そんな「ウイスキープライム」のレビューと、「これならいける」と思った飲み方(コークハイ)を紹介します。
また「ウイスキープライムってジャパニーズウイスキーなの?」という疑問に答えるべく、日本のウイスキーの定義もまとめてみました。
日本のウイスキーはかなり定義がゆるく、品質はピンキリです。
その点もあわせてご覧ください。


- 都内オーセンティックバーの元バーテンダー
- ウイスキーエキスパート所持
ジンやウイスキーを中心に、これまで300種類以上のお酒を飲んできました。実体験をもとに、「本当に美味しい」と思ったお酒を紹介します。
ウイスキープライムの概要


ウイスキープライムの概要を、ラベルを参考にまとめました。
- 価格:877円(税込)
- 品名:ウイスキー
- 原材料:モルト・グレーン
- 原料原産地名:国内製造(グレーンスピリッツ)
- アルコール度数:37%
- 内容量:640ml
- 製造者:サントリースピリッツ株式会社
- キャッチフレーズ 「匠の香るスモーキー」
アルコール度数は低く容量は640mlで、低価格なのは納得の内容です。
なお、640mlの他に1.8Lのペットボトルも売られています。
【レビュー】ウイスキープライムの色と香り
「ウイスキープライム」を飲んでみました。
まずは色と香りを紹介します。
【色】濃い茶色


画像は色の写真で、同じセブン&アイ限定のウイスキー「レジェンダリースコット」と比較しています。
プライムウイスキーは、レジェンダリースコット(写真左)に比べるとかなり色が濃く、カラメルで濃いめに着色している?とも思えます。
【香り】アルコール臭が強い
グラスに注いで香りを試しました。
最初に強いアルコール臭、次に粘土のような香りがします。
時間が経つとアルコール臭が強まりました。



プライムのキャッチフレーズは「匠の香るスモーキー」ですが、スモーキーな香りはあまり感じ取れず。
【レビュー】ウイスキープライムを飲んだ感想


ウイスキープライムを飲んだ感想を、飲み方別に紹介します。
試したのは次の飲み方です。
- ストレート
- トワイスアップ
- ハイボール
- ハイボール+レモン果汁
- コークハイ
【ストレート】甘みが強い
ストレートで飲むと最初にアルコールの刺激が来て、次にべったりとした甘さを感じます。
まとまりなくバラバラに複数の味が来る印象で、スモーキーさは感じ取れません。
余韻は短めで、ストレート向きではないようです。
【トワイスアップ】甘さは増すがバランスが良くない
トワイスアップの香りは、ストレートがそのまま薄まったような香りです。
加水で甘みは増し、アルコールの刺激とアンバランスになるのを感じました。
【ハイボール】炭酸の苦みが残る
ハイボールにするとウイスキーの風味が弱くなり、炭酸の苦みが舌に残ります。
ウイスキーの甘みと苦みがバラバラに舌に届き、最後に炭酸の苦み。
香りも薄まったような印象を受けたので、バランスよく作るのが難しいかもしれません。
【ハイボール+レモン果汁】果汁が浮いてしまう
濃縮還元のレモンジュースを入れてハイボールを作ってみました。
結果レモンの味だけ浮いてしまい、炭酸とウイスキーの味はバラバラのまま。
なじむことなく、美味しくはなりませんでした。



個人の感想です!(2回目)
【コークハイ】苦味と甘みが味わえる
ウイスキープライムをコークハイにすると、コーラの甘みと香料のおかげでアルコール臭が軽減されます。
やや濃いめに作ったほうが、甘みと苦みのバランスがとれて飲みやすくなるでしょう。
なお、ゼロコーラやダイエットコーラはお勧めしないので、作る際は普通のコーラやペプシを使ってください。



コーラや甘めのジンジャエールといった炭酸飲料で割るのが◎
プライムウイスキーは「ウイスキー」なのか?


プライムウイスキーは「ウイスキー」といえるのか。この疑問に答えるには、まず日本におけるウイスキーの定義を理解する必要があるでしょう。
日本では「ウイスキー」の基準が2つ存在します。
- 日本の酒税法による「ウイスキー」の基準
- 日本洋酒酒造組合による「ジャパニーズウイスキー」の基準
プライムウイスキーは酒税法上は「ウイスキー」を名乗れますが、より厳格な「ジャパニーズウイスキー」の基準は満たしていないと考えられます。
この違いを詳しく見ていきましょう。
日本の酒税法による「ウイスキー」の基準


日本の酒税法上の「ウイスキーの要件」は諸外国に比べると非常に緩やかで、以下のように定められています。
- 原料は、穀物および水
- 上記を原料とする酒類が総量の10%未満にならない範囲で、アルコール・スピリッツ・香味料・色素を加えることができる(ただし、白樺の炭で濾過したものは除く)
- (熟成期間、アルコール度数の規定なし)
熟成期間が設定されていないため熟成させていなくてもウイスキーとして商品化できること、またアルコール度数の下限がないため度数が低くても「ウイスキー」を名乗れることが特徴です。
最も特徴的なのは、グレーンスピリッツや醸造アルコールといった、いわゆる「混ぜ物」が9割近く含まれていても「ウイスキー」として販売できてしまう点です。



ゆるい!
ここで、プライムウイスキーの原材料を見てみましょう。


プライムウイスキーのラベルには、「原材料名:モルト、グレーン」「原料原産地:国内製造(グレーンスピリッツ)」とあります。
ここで注目したいのは「グレーンスピリッツ」の表記です。
これは穀類(グレーン)を原料とした蒸留酒のことですが、ウイスキーそのものではありません。
比率の記載まではありませんが、実際に飲んだ印象ではグレーンスピリッツの比率は高そうだと感じました。
しかし、先ほど説明した日本の酒税法の緩やかな基準下では、こうした製品でも「ウイスキー」を名乗れます。
スコッチなどの海外の厳格な基準とは異なり、日本では原材料やアルコール度数がかなり自由なのです。
日本洋酒酒造組合による「ジャパニーズウイスキー」の基準


「なんでもかんでも日本のウイスキーって名乗れるの、やばくない?」という業界の懸念に応えて打ち出されたのが「ジャパニーズウイスキーの新定義」です。
「ジャパニーズウイスキーの新定義」とは、日本洋酒酒造組合が日本のウイスキーの品質を守るために定めた自主基準で、2021年4月に施行が開始されました。
特定の要件を満たさなければ「ジャパニーズウイスキー」と名乗ってはいけないとする規定で、製法・原材料について次のように定められています。
▼「ジャパニーズウイスキー」と名乗る要件
原材料 | 原材料は、麦芽、穀類、日本国内で採水された水に限ること。 なお、麦芽は必ず使用しなければならない。 |
---|---|
製造 | 糖化、発酵、蒸留は、日本国内の蒸留所で行うこと。 なお、蒸留時の留液のアルコール分は95度未満とする。 |
貯蔵 | 容量700リットル以下の木製樽に詰め、詰めた日の翌日から起算して3年以上、日本国内で貯蔵すること。 |
瓶詰 | 日本国内で容器詰めし、そのアルコール分は40度以上であること。 |
その他 | 色調の微調整のためのカラメルの使用を認める。 |
「ジャパニーズウイスキー」は、外国産のウイスキーや醸造アルコールの添加は認められていません。
スコッチウイスキーの基準と比較しても厳格で、例えば、スコッチは水の産地に規定はありませんが、ジャパニーズウイスキーは日本国内で採水された水の使用を義務付けています。



水の産地まで言及されていて、かなり厳格。
また、シングルモルト以外のスコッチはスコットランド国外での瓶詰めが認められていますが、ジャパニーズウイスキーでは全工程を日本国内で行うことを要求しています。
ただし、この「ジャパニーズウイスキー」の定義は、あくまでも日本洋酒酒造組合による自主基準です。
そのため基準に違反しても法的な罰則規定は存在せず、各メーカーの自主性に委ねられているのが現状です。
とはいえ加盟している団体は多く、権威ある組合の規定ということで製品情報に「日本洋酒酒造組合の基準に合致している」と注意書きしている大手酒造も、じわじわと増えています。
日本の原材料のみを使った国産ウイスキーや、混ぜ物一切なしのウイスキーが飲みたい場合は「ジャパニーズウイスキー」と表記されているものや、規定に合致しているとアピールしている銘柄を選ぶと良いでしょう。
単に「ウイスキー」「国産ウイスキー」と表記されている製品は、このジャパニーズウイスキーの要件を満たしていない可能性があります。
まとめ:ウイスキープライムはコークハイ向き


ウイスキープライムは値段相応という感じで、わざわざ買うほどではないかしら・・・というのが正直な感想です。
飲むときはコーラ割りで甘くアレンジすると良いでしょう。
リーズナブルでコンビニでも買えるウイスキーをお探しなら、「セブン&アイ限定 レジェンダリースコット」がおすすめです。
ロックやハイボールの爽快感が味わえる高コスパのウイスキーなので、ぜひこちらを試してみてください。

