家飲みの定番「ハイボール」は、国産ウイスキーやスコッチといったさまざまな銘柄で作られ、親しまれています。
中でもバーボンを使ったハイボールは、スパイシーさとコーン由来のまろやかな甘みが調和した、爽快な味わい。
今回はそのバーボンに焦点を当て、元バーテンダーの経験をもとに美味しいバーボンハイボールの作り方とおすすめバーボン15選を紹介します。
バーボンハイボール、常飲しています。
中でも大好きなバーボンをセレクト!
バーボンは価格帯別に紹介するので「どのバーボンを選べばいい?」「美味しい作り方は?」と疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 都内オーセンティックバーの元バーテンダー
- ウイスキーエキスパート所持
ジンやウイスキーを中心に、これまで300種類以上のお酒を飲んできました。実体験をもとに、「本当に美味しい」と思ったお酒を紹介します。
バーボンハイボールの魅力とは?
バーボンハイボールの最大の魅力は、バーボンならではの穀物の香りと爽快なスパイシーさです。
味わいと料理とのペアリングの魅力を紹介します。
香り豊かでまろやかな味わい
オークの新樽で熟成されるバーボンは、木樽由来の甘いバニラ香とライ麦由来のスパイシーさが特徴です。
ハイボールにすれば、甘みとスパイシーさが炭酸の刺激と調和し、爽快な飲み心地に。
スコッチに比べるとスパイシー。
クセがあるけど病みつきに!
銘柄によっては主原料であるコーンの優しい甘みが強く感じられ、ライ麦を使用していないバーボンの場合はぐっとまろやかな味わいとなります。
料理との抜群の相性
甘さとスパイシーさを併せ持つバーボンハイボールは、食中酒としてピッタリの1杯です。
特におすすめなのが、フライドチキンをはじめとする揚げ物との組み合わせ。
爽快なバーボンハイボールが揚げ物の油っぽさをクリアにしてくれ、バーボンの香ばしさも料理の風味にマッチします。
ケンタッキーとのペアリングは至高!!!
その他、スモークした肉や魚、こってり味の肉料理、スパイシーな料理など、さまざまな食事と好相性です。
食事と一緒に楽しめる万能な飲み物として、バーボンハイボールはおすすめです。
ハイボールにおすすめのバーボン15選【価格別】
ハイボールにおすすめのバーボン15選を、リーズナブルな順に紹介します。(※2024年Amazon調べ)
「炭酸で割っても個性が残る」「食中酒にピッタリの味わい」という2点を基準に選んだ15本で、価格帯で分類してみました。
価格帯 | おすすめのバーボン |
---|---|
~2,500円 | ・ヘブンヒル オールドスタイル ・ベンチマーク ・I.W.ハーパー ゴールドメダル ・エヴァン・ウィリアムス ブラックラベル |
~5,000円 | ・アーリータイムズ ゴールド ・ワイルドターキー スタンダード ・メーカーズマーク ・オールド グランダッド 114 ・バッファロートレース ・エライジャ・クレイグ スモールバッチ ・ノブクリーク ・ウッドフォードリザーブ |
5,000円~ | ・ベイカーズ ・エンジェルズエンヴィ ・ブラントン |
それそれの銘柄を順に紹介します。
ヘブンヒル オールドスタイル
ヘブンヒルはケンタッキー州バーズタウンが本拠地の大手メーカー、ヘブンヒル社が手掛ける伝統的なバーボンです。
オーソドックスなバーボンで深いコクと穀物の豊かな風味があり、爽やかな飲み口のハイボールが作れます。
リーズナブルで手に入りやすく、毎日でも飽きずに楽しめるデイリーバーボンにピッタリの銘柄です。
ベンチマーク
ベンチマークは、バッファロートレース蒸留所が手掛けるクラシカルな味わいのバーボンです。
ベンチマーク(基準・水準)という名のとおり、バーボンの基準となる味を目指しており「The quality standard in fine bourbon(上質なバーボンの品質基準)」を謳っています。
キャラメルやバニラの深い甘みと、バーボンらしいスパイシーな要素が重なったバランスの取れた味わい。
ハイボールにすれば適度な甘みと爽やかな喉越しのバランスが絶妙で、リーズナブルでありながら確かな品質のおすすめバーボンです。
I.W.ハーパー ゴールドメダル
I.W.ハーパー ゴールドメダルは、1872年創業の歴史あるブランド「I.W.ハーパー」の定番商品です。
150年の歴史を誇るこの銘柄は、コーン比率が高く原料由来の甘い香りが特徴。
スムーズで飲みやすく、ハイボールにするとその特徴がより引き立ちます。
すっきりとした飲み口の中に甘みとコクが感じられる定番の1本で、炭酸で割るハーパーソーダは古くから親しまれてきた飲み方です。
エヴァン・ウィリアムス ブラックラベル
エヴァン・ウィリアムスとは、石灰水を発見して最初にトウモロコシを原料としたウイスキーをつくったとされる人物の名前です。
伝統的なレシピでつくられる本格派バーボンで、キャラメルやバニラ香と力強いコクが特徴。
ハイボールにすると穀物の甘みが際立ち、食中酒にピッタリの爽やかで後味すっきりの味わいが楽しめます。
リーズナブルで手に入りやすい、おすすめのバーボンのひとつです。
アーリータイムズ ゴールド
アーリータイムズ ゴールドは、日本デビューが2023年という新生バーボン。
バッファロートレースをフラッグシップとする大手サゼラック社が、独自のレシピでつくっています。
原料のコーン比率は79%と一般的なバーボンよりも高い比率で、バニラ香やアプリコットのような甘い果実香、強い甘み、ライ麦由来のスパイシーさが特徴。
完成度が非常に高く「これぞバーボン」と呼べる味わいで、バーボン初心者からファンまで幅広く楽しめるでしょう。
加水しても芯が崩れない安定感があり、ハイボールにも最適です。
ワイルドターキー スタンダード
ワイルドターキーは、樽由来の豊かな香りと力強い味わいが特徴のケンタッキーストレートバーボンです。
コーン比率が低く、ライ麦の比率が高いため、スパイシーで豊かな風味が味わえます。
ワイルドターキーの特徴は、熟成樽の焼き入れの深さです。
バーボンは新樽の内側を焦がした木樽で熟成されますが、ワイルドターキーは「アリゲーターチャーNo.4」と呼ばれるレベルで樽を強烈に焦がしています。
その樽で、それぞれ6年、7年、8年熟成させた原酒をブレンドしているのがワイルドターキー スタンダードで、アルコール度数40.5%で瓶詰めされています。
バニラやハチミツのような甘い香りと、スパイシーでダイナミックな味わい。
ウッディな樽香とバーボンらしい力強さをバランス良く感じられる1本で、本格的なバーボンハイボールを楽しみたい方におすすめです。
メーカーズマーク
メーカーズマークは、ボトルの封蝋(ふうろう)が印象的なケンタッキーストレートバーボンです。
通常バーボンに使用されるライ麦の代わりに「冬小麦」を使用しており、優しい甘みとまろやかでスムースな口当たりが特徴です。
一般的なバーボンよりもスパイシーさがないため非常に飲みやすく、ウイスキーを飲み慣れていない初心者の方にもおすすめの1本。
ハイボールやロックはさまざまな料理に合わせやすい味わいで、バランスの良さが魅力のバーボンです。
オールド グランダッド 114
オールドグランダッド114は、同ブランドのレギュラーボトルよりもアルコール度数が高い114プルーフ(57%)のバーボンです。
オールドグランダッドは原料のライ麦比率が高く、ライ麦由来のスパイシーさと力強い味わいを十分に堪能できます。
度数の高い114は飲みごたえ抜群で、ハイボールにしても力強さをしっかりと味わえます。
なお、「オールド グランダッド(偉大なおじいちゃん)」とは、ブランド創業者のレイモンドB.ヘイデンの祖父である「ベイシル・ヘイデン・シニア」のこと。
会社を継いだ3代目が、有名な蒸留業者だった初代を称えて名付けたもので、ボトルには創業者ヘイデン・シニアの肖像が描かれています。
バッファロートレース
アメリカで操業する最古の蒸留所、「バッファロートレース蒸留所」でつくられるフラッグシップバーボン。
最低でも8年熟成させた長熟の原酒がブレンドされており、力強い味わいと洗練された上品さを併せ持つプレミアムな1本です。
バニラの甘い香りに、オレンジのような柑橘のニュアンスも感じられる奥行きのある味わいで、しっかりとしたボディがありつつ非常にスムーズ。
芳醇な香りと程よいスパイシーさは、ハイボールにしてもしっかりと味わえます。
エライジャ・クレイグ スモールバッチ
エライジャ・クレイグは、バーボン樽熟成の先駆者として知られる牧師エライジャ・クレイグの名を冠したバーボンです。
牧師は「バーボンの父」とも呼ばれる人物で、彼が最初につくったバーボンにちなみ、エライジャ・クレイグは赤みがかった色合いが特徴です。
厳選された少数の樽の原酒のみをブレンドしたスモールバッチバーボンで、濃厚な味わいとブラウンシュガーを思わせるコクのある甘みが味わえます。
炭酸で割れば、スパイシーでリッチなバーボンハイボールが楽しめるでしょう。
ノブクリーク
ノブクリークはジム・ビーム社が手掛けるスモールバッチバーボンです。
第6代マスター・ディスティラーであるブッカー・ノゥが、禁酒法以前の「本来のバーボン」を目指して手掛けた逸品です。
9年を超える長期熟成の原酒を使用しており、50%という高いアルコール度数で瓶詰めされています。
長期熟成による深く甘い香り、ナッティな風味、リッチなコクが大きな特徴で、微かなスモーキーさと長い余韻が魅力。
高いアルコール度数と長期熟成がもたらす、うま味と飲みごたえのある深い味わいのハイボールが楽しめます。
ウッドフォードリザーブ
ケンタッキー州では最も古い蒸留所、ウッドフォードリザーブ蒸留所がつくるフラッグシップバーボンです。
創業時から受け継がれているオリジナル酵母を使用しており、3回蒸留によるクリアな味わいが特徴。
原料比率はコーン72%、ライ麦18%、麦芽大麦10%で、甘みとスパイスがバランス良く感じられます。
まろやかな味わいのためハイボールやカクテルに適しており、フレッシュなオレンジやリンゴのニュアンス、ハチミツのほのかな甘みが味わえます。
ベイカーズ
ベイカーズは、老舗のバーボンメーカー・ビーム社の原酒でつくられるシングルバレルバーボンです。
ビーム社の貯蔵庫において、熟成が早まる高温多湿のラックで最低7年間貯蔵された原酒が使用されています。
ストレート、ロック、ハイボール、カクテルといったどのような飲み方でも、オークやキャラメル香、力強いバニラ香といった伝統的なバーボンの風味が堪能できる1本。
107プルーフ(アルコール度数53.5%)で、樽の個性が際立つフルボディのバーボンです。
エンジェルズエンヴィ
エンジェルズエンヴィは、元ブラウンフォーマン社のマスターディスティラーが手掛けるプレミアムバーボンです。
内側を焦がしたホワイトオークの新樽で4年〜6年熟成させた後、ポートワイン樽で最長6カ月後熟させています。
エンジェルズエンヴィ(天使の妬み)という名は、試飲した創業者が「天使も嫉妬するほどの出来栄えだ」と冗談を言ったことから。
樽熟成中に揮発する分を「天使の分け前」と呼ぶウイスキー業界ならではの、遊び心のあるネーミングです。
バニラやメープルシロップを思わせる芳醇な甘み、ポートワイン樽由来のフルーティな風味が特徴で、リッチかつクリーミー。
他のバーボンにはない魅力があり、ジューシーな味わいのハイボールが楽しめます。
ブラントン
八面体ボトルと馬のキャップがユニークなブラントンは、バッファロートレース蒸留所が手掛けるシングルバレルバーボンです。
通常のバーボンは複数の樽の原酒をブレンドして一定の味わいを作り出すのに対し、ブラントンは厳選した1樽の原酒をそのまま瓶詰めします。
単一の樽からボトリングされるため、その樽の情報がラベルに手書きで記載されています。
深いバニラ香とどこまでも続く長い余韻、しっとりと濃密な味わいが楽しめる唯一無二のバーボン。
ハイボールにするとナッティさやオイリーさが増し、力強く贅沢な味わいが楽しめます。
バーボンハイボールの美味しい作り方
美味しいバーボンハイボールの作り方を解説します。
以下のレシピを参考に、自分好みの割合を見つけてみてください。
▼バーボンハイボールの作り方
・かち割り氷をロンググラスの8~9分目まで入れる
・グラスにバーボンを45ml注ぎ、ステアして氷とバーボンをなじませる
・氷に当てないようにしながら炭酸水をゆっくり注ぐ
・バースプーンを挿し、グラスの底から氷を持ちあげて落とし、1周だけステアする
美味しく作るポイントは、炭酸水の扱い方です。
注ぐときは、泡がつぶれないようになるべく氷をよけてゆっくりと注ぎましょう。
注いだ後はカチャカチャと混ぜすぎず、氷を持ち上げて上下に1度、軽く混ぜます。
また、次の基本を押さえることでハイボールはさらに美味しくなります。
- グラスを冷やしておく
- よく冷やした氷を使い、水っぽい氷は使用しない
- 炭酸水はよく冷やしておく
- 炭酸水は開栓したてものを使う
完成したハイボールは、お好みでレモンやライムを添えてもよいでしょう。
果汁を入れない、レモンピールやオレンジピールを入れたバーボンハイボールもおすすめです。
かち割り氷を自作してみたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
バーボンハイボールに関するよくある質問(FAQ)
バーボンハイボールを楽しむ上で、ふと疑問に思う点と回答をまとめました。
- バーボンハイボールがまずくなる原因は?
- スコッチハイボールとの違いは?
- バーボンハイボールのカロリーはどのくらい?
- バーボンハイボールの度数はどのくらい?
バーボンハイボールがまずくなる原因は?
バーボンハイボールを「まずい」と感じてしまう要因として、次の4つの原因が考えられます。
- 炭酸が冷えていない
- 炭酸が抜けている
- 氷が少なすぎる、または状態が良くない
- バーボンと炭酸の比率が良くない
ハイボールに使う炭酸はよく冷やしていないと、爽快感がなくなりバーボンの風味も活かされません。
また、開栓して時間が経ち、炭酸が抜けてしまったものを使っても美味しく作るのは難しいでしょう。
炭酸水はよく冷やし、開けたてのフレッシュな炭酸を使うのがポイントです。
使用する氷が少ない、もしくは溶けやすくなったぬるい状態の氷を使うと、ハイボールが水っぽくなります。
氷はグラスの8~9分目まで詰め、可能であれば溶けにくい大きめの氷を使ってみてください。
バーボンと炭酸水の比率は、バーボン1に対して炭酸水3〜4程度です。
この割合を目安に、自分が飲みやすいと感じる好みの割合を見つけましょう。
スコッチハイボールとの違いは?
主原料と製法の違いから、バーボンハイボールとスコッチハイボールでは味わいは異なります。
それぞれの特徴を比較してみましょう。
ウイスキーの種類 | 特徴 |
---|---|
バーボンハイボール | ・バニラやキャラメルのような甘い香り ・コーン由来のまろやかな甘み ・スパイシーな味わい(※銘柄による) |
スコッチハイボール | ・すっきりとしたクセのない飲み口 ・モルトの香ばしさ ・オレンジのような柑橘(※銘柄による) ・スモーキーなピート香(※銘柄による) |
大まかにいえば両者のハイボールにはこのような特徴がありますが、バーボンもスコッチも銘柄によって味わいは異なります。
いろいろなハイボールを飲み比べて、自身の好みを探ってみてください。
バーボンハイボールのカロリーや度数はどのくらい?
バーボンハイボールのカロリーやアルコール度数は、バーボンと炭酸水の比率によって異なります。
アルコール度数40%のバーボン45mlに、無糖の炭酸水120mlを入れてハイボールを作った場合を見てみましょう。
- アルコール度数:約10~12%
- カロリー:約100kcal
- 糖質:0g
バーボンハイボールのカロリーのほとんどはアルコールに由来するもので、無糖の炭酸水を使用すれば、余分なカロリーを抑えられます。
カロリーや健康面が気になる方は「ウイスキーとジンの違い|カロリーや糖質を比較」の記事も参考にしてみてください。
最後に
バーボンハイボールの作り方と、おすすめ銘柄を紹介しました。
美味しいバーボンハイボールを楽しむポイントは、しっかりと冷やした炭酸水を使って氷をたっぷり入れて作ることです。
これらの基本を押さえれば、バーボンの味わいを活かした爽快な1杯が楽しめるでしょう。
一口にバーボンといっても、リーズナブルなバーボンからプレミアムな銘柄まで、それぞれに個性があり味わいも異なります。
ハイボールを飲み比べながら、自分好みのバーボンを見つけてみてください。