タンカレーとは?種類・味わい・おすすめの飲み方を元バーテンダーが解説

「タンカレー」ジンとは|歴史や製法、味について徹底解説!

丸みがあるキュートなボトルが特徴のタンカレーは、世界中にファンのいる有名なジンです。Barシーンにも欠かせないジンで、繊細でキレのある味わいが特徴です。

この記事では、元バーテンダーがタンカレーの味わいや特徴、つたんだーどボトルとNo.10の違い、おすすめの飲み方をわかりやすく解説します。製法や歴史にも触れているので、タンカレーを深く知りたい方はぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人
まむ
  • 都内オーセンティックバーの元バーテンダー
  • ウイスキーエキスパート所持

300種類以上のお酒を飲んできた実体験を基に「本当に美味しい!」と感じたお酒を紹介しています。

目次

タンカレーとは

タンカレーの各種ボトル
Tanqueray

タンカレーは、イギリス産のロンドン・ドライジンで、キレのあるすっきりした味わいが特徴です。

代表銘柄・Tanqueray London Dry Gin
・Tanqueray No.10
原産国イギリス
製造元ディアジオ社
蒸留所キャメロンブリッジ蒸留所
(Cameron Bridge Distillery)
ボタニカル4種

30秒で読める!タンカレーの特徴5つ

「タンカレーのユニークポイントだけ知りたい」という方のために、30秒で読める5つの特徴を紹介します。

  • ドライですっきり!4回蒸留が生み出すキレのある味わい
  • ボトルモチーフはカクテルシェーカー
  • 創業者チャールズ・タンカレーは家業の聖職者を拒んでジンづくり
  • 戦火を免れたオールドトムスチルで蒸留
  • タンカレーNo.10は柑橘系フルーツを丸ごと使用

タンカレー ロンドンドライジンの味わい

タンカレー ロンドン ドライジン

タンカレーのフラッグシップボトルで、キレのあるすっきりとした味わいが特徴です。ハーブの風味と爽やかな後味がクセになる、そのまま飲んでもカクテルにしても美味しいジンです。

まむ

ハーブの風味がとても爽やか!

ジュニパーベリーの薬草感、ボタニカル由来のスパイシーさが際立っていて、そのままストレートやロックで味わうのもおすすめです。カクテルならドライマティーニやジンライム、爽快感たっぷりのジントニックで楽しむと良いでしょう。

ボトルデザインと名前の由来

ブランド名タンカレーは創業者の名前が由来で、ボトルのモチーフは「カクテルシェーカー」です。

まむ

「消火栓」と勘違いされがちですが、実はシェーカーなのです。

リリースされて以降タンカレーはさまざまなボトルで販売されており、1948年に現在の緑色のデザインになりました。

ボタニカルは4種類

ジュニパーベリー

タンカレーのスタンダードボトルのボタニカルは、ジンの基本ともいえる次の4つの植物です。

  • ジュニパーベリー
  • リコリス
  • コリアンダー
  • アンジェリカルート

これら4つのボタニカルを中心にタンカレーは製造されていますが、ボタニカルの詳しい配合比率は門外不出の企業秘密とされており、詳細は公開されていません。

ジンのボタニカルについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

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製法

タンカレーは4段階の蒸留工程を経てつくられています。

まず、連続式蒸留機を使った3回の蒸留でニュートラルグレーンスピリッツ(穀物由来の蒸留酒)を精製します。蒸留を重ねることで雑味が徹底的に取り除かれ、最終的に96%という高純度なベーススピリッツが完成します。

この高純度のベーススピリッツに水と4種のボタニカルを加え、オールドトムスチルで4回目の最終蒸留を行います。ここで4つのボタニカルによる香りづけがなされ、約5.5時間の時間をかけて蒸留されます。蒸留液はヘッド(最初に出る高度数の部分)とテール(後半の部分)が取り除かれ、中間のハート部分だけが残されます。

こうして得られる原酒は86%という高度数のジンです。ここに水を加えてアルコール度数を調整し、日本向けは47.3%でボトリングされます(市場によって43.1%や40%の製品もあります)。

タンカレー No.10の味わい

タンカレー No.10

2000年に発売されたタンカレーNo.10は、通常のタンカレーとは異なる上位ラインのプレミアムジンです。

香りはフローラルでフレッシュ。透明感のある澄んだ飲み心地で、グレープフルーツなどのシトラスの香りがはっきりと感じられます。

まむ

ロックでじっくりと飲むのがおすすめ。

名前の由来

タンカレーNo.10の名前の由来は、製造時に使用されるTiny Ten(タイニーテン)という単式蒸留器です。Tiny Tenはスワンネックのユニークな形状で、容量はわずか400Lしかありません。1950年代、創業から10番目に製造された蒸留器です。

ボタニカル|フルーツを丸ごと使用

スタンダードボトルにはボタニカル4種が使用されているのに対し、No.10はそれらに加えて柑橘系フルーツやカモミールの花が採用されています。

柑橘系ボタニカルは皮だけでなくフルーツを丸ごと使用しています。一般的なジンでは乾燥させた皮のみを使いますが、No.10では生のフルーツ全体を蒸留に用いる点が大きな特徴です。

製法|よりピュアなスピリッツを抽出

ジンは蒸留時、蒸留の最初の部分(ヘッド)と最後の部分(テール)をカットします。

これはスピリッツの純度を保つための作業で、スタンダードボトルのタンカレーは、全体の10%ほどカットします。対してタンカレーNo.10は、40%ものヘッドとテールをカットし、より純度の高いスピリッツを抽出しています。

まむ

スピリッツの最もピュアな部分、全体の6割しか「タンカレーNo.10」になれません!

その他のラインナップ

タンカレーのその他のラインナップを紹介します。

タンカレー マラッカ ジン

マラッカジン

マラッカジンは、1839年にチャールズ・タンカレーが開発したスパイス入りのジンレシピを基につくられました。マレーシア半島とインドネシアのスマトラ島のあるマラッカ海峡にちなんで名付けらています。

マレーシアの植物が使われているスパイスのきいたジンで、通常のタンカレーよりもジュニパーの使用量が抑えられており、シトラスやスパイスの味が強調されています。香り高いマラッカジンはファンが多く、まろやかでそのまま飲んでも飲みやすいジンです。

まむ

スパイシーな香りが楽しめます。ロックがおすすめ!

タンカレー ラングプール

タンカレー ラングプール

ラングプールライムの和名は「姫レモン」というマンダリンとシトラスの交配種で、ライムに近い味のする柑橘系フルーツです。

「タンカレー ラングプール」はラングプールの風味が強く、ライムを搾ったようなフレッシュさを味わえます。フルーティなジンが好きな方におすすめです。

Tanqueray(タンカレー)
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タンカレー ブラックカラント ロイヤル ジン

タンカレー ブラックカラント ロイヤル ジン

ブラックカラント、つまりカシスを漬け込んだタンカレーです。カシスの他にバニラも使用されていますが甘さは殆どなく、ほろ苦さのあるジンです。

まむ

鮮やかな紫色が美しいですね!

タンカレーの歴史

タンカレーの創業者は、チャールズ・タンカレーという人物です。後に何度かオーナーは変わり、今ではタンカレーはディアジオの傘下にあります。

タンカレーの歴史を詳しく紹介します。

1830年チャールズ・タンカレーがヴァインストリート蒸留所を設立
1865年チャールズ・ウォー・タンカレーが蒸留所を継承
1898年ゴードン社と合併、タンカレー&ゴードン社を設立
1922年タンカレー&ゴードン社がディスティラーズ カンパニーに参加
1941年第二次世界大戦により蒸留所が爆撃される
1986年ディスティラーズ カンパニーがギネス(現・ディアジオ)の傘下となる

チャールズ・タンカレーが19世紀に蒸留所を設立

タンカレーの蒸留所
Tanqueray

創業者であるチャールズ・タンカレーは、1810年にイギリスで生まれました。祖父や父は牧師という聖職者の家系でしたが、チャールズ・タンカレーは聖職に就くことを拒み、ジンをつくることを決意します。

1830年、チャールズは20歳のときに弟のエドワードと共に起業し、ロンドンのブルームズバリーに蒸留所を設立します。(しかし弟のエドワードは、蒸留所を創業して数年後に死去)

当時のイギリスは、粗悪なジンが横行していたジンクレイズ(狂気のジン時代)が終焉を迎える頃で、政府の取り締まりにより、少しずつ高品質なジンが誕生し始めた時代でした。そんなジンの黎明期にタンカレーは誕生しました。

目指したのは高品質ジン

チャールズ・タンカレーが目指したのは、これまでにない高品質のジンです。

当時流行していたのは、オールドトムジンという砂糖や甘みが加えられたジンでした。現在のオールドトムジンとは違い、砂糖や甘みで雑味をごまかしているジンです。

チャールズはオールドトムジンと対照的な雑味のないクリアなジンの生産を目指し、試行錯誤を重ねます。やがて、よりピュアなジンを精製する4段階の蒸留手法を編み出し、ボタニカルの調合比率も熱心に研究。特徴ある味わいを生み出すため、300 以上ものレシピを試作しました。

こうしてできたタンカレーはオールドトムジンとは全く異なる味わいで、瞬く間にロンドンで注目を集め、現在のロンドン・ドライジンの先駆けともいえる存在となりました。

まむ

「ロンドン ドライジン」とはロンドン産という意味ではなく、“厳しい規定を順守した良質なジン”を指す呼称です。

200年近く経った現在でも、創業当時のタンカレーのオリジナルレシピや製法は忠実に守られています。

ゴードン社との合併、ディスティラーズ カンパニーに参加

1865年、チャールズ・タンカレーは引退しスコットランドに移り、58歳で亡くなります。蒸留所は息子のチャールズ・ウォー・タンカレーが20歳で引き継ぎました。

当時ロンドンには多くのジンの蒸留所がありました。激しい競争の中を生き残るために、チャールズ・タンカレー社は1898 年、アレクサンダー・ゴードン社との合併を決定。タンカレー&ゴードン社が誕生しました。合併後、ジンの生産はヴァインストリート蒸留所から、ゴードンの所有するロンドンのクラーケンウエル(Clerkenwell)の蒸留所に移されます。

そして1922年、タンカレー&ゴードン社はディスティラーズ カンパニー(6つの蒸留所が合併した組織)に参加しました。

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戦火を免れたオールドトムスチル

第二次世界大戦が始まると、1941年にドイツ空軍により蒸留所が爆撃されて大きな被害を受け、一つのポットスチルを除いた全ての設備が破壊されます。

終戦後、1951年に同じ場所に蒸留所をつくり1957 年に蒸留を再開。戦火を免れた、たった一つのポットスチルも修復されました。このスチルはオールドトムの愛称で呼ばれていますが、その歴史は第二次世界大戦よりもはるかに古く、ジョージ3世の治世(1760〜1820年)にまで遡る250年以上の歴史を持つ蒸留器です。

ディアジオ傘下となり、最大級の蒸留所に

ディスティラーズ カンパニーは1986年にギネス(現:ディアジオ)によって買収されました。現在、タンカレーのスピリッツは、スコットランド・ファイフにあるキャメロンブリッジの蒸留所で生産されています。

キャメロンブリッジ蒸留所はディアジオ最大規模の蒸留所で、タンカレーの製造には3基の大型銅製ポットスチルが使用されています。そのうちの1基が前述のオールドトムスチルです。

参考:Diageo Bar Academy

最後に

タンカレーで作ったカクテル

プレミアムジンのタンカレーについて紹介しました。タンカレーはジンクレイズの時代に生まれたハイクオリティなジンで、他のジンの品質にも良い影響を与え、ジン業界全体の地位向上に貢献しました。

長年愛され続けているタンカレーを、ぜひ一度味わってみてください。

「タンカレー」ジンとは|歴史や製法、味について徹底解説!

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