ジンは何となく飲みにくいイメージがありますが、実はさまざまな飲み方やアレンジが楽しめる優しいお酒です。
ボタニカル(香草・薬草)の豊かな香りが特徴で、簡単なカクテルレシピも豊富。基本のジントニックから始まり、冷凍フルーツやお菓子をトッピングした遊び心あるアレンジまで、楽しみ方は無限大です。
この記事では、ジンの基本の飲み方から、初心者の方でも楽しめる手軽なカクテル・アレンジまで幅広く紹介します。
コンビニやスーパーでも手に入るおすすめ銘柄も解説しますので、ジン選びの参考にしてみてください。

- 都内オーセンティックバーの元バーテンダー
- ウイスキーエキスパート所持
ジンやウイスキーを中心に、これまで300種類以上のお酒を飲んできました。実体験をもとに、「本当に美味しい」と思ったお酒を紹介します。
ジンとはどんなお酒?

ジンは、穀物由来の蒸留酒にボタニカル(香草・薬草類)で風味を付けたお酒です。
ベースとなる蒸留酒の主な原料は大麦・小麦・ライ麦・トウモロコシで、ボタニカルには必ずジュニパーベリーが使用されます。
このジュニパーベリーが、ジン特有の松やヒノキを思わせる爽やかな香りを生み出しています。
ボタニカルには、ジュニパーベリーの他にさまざまな植物が使用され、蒸留所や銘柄ごとに個性豊かな味わいを生み出しています。
アルコール度数は40度前後が一般的で、すっきりとしたドライな口当たりが特徴です。
ジンについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。


ジンの簡単な飲み方①ストレート・ロック

ジンには様々な飲み方があります。
まず、銘柄そのものの味わいを楽しむならストレートやロックが簡単です。
ストレート
テイスティンググラスやショットグラスに30ml程度注ぎ、まずは香りを確かめ、少量ずつ味わいましょう。
香りをじっくり味わいたい場合は常温で、キリリとした風味を味わいたい場合は冷やして飲んでみてください。
ストレートで飲めば、ジン本来の香りと味わいをダイレクトに楽しめます。
ジンの個性や特徴がよく分かるので、飲み比べも楽しいですよ。
ロック
ロックグラスに大きめの氷を入れ、45ml程度注いで軽く混ぜればロックの完成です。
氷で冷やしつつ水となじませることで、ストレートとは異なるまろやかな味わいが楽しめます。
ロックの醍醐味はジンの味わいの変化で、氷が溶けるにつれ口当たりや香味がゆっくりと変わっていきます。
ジンの簡単な飲み方②ジン×ジュースの甘口カクテル
ジンはストレートやロックで楽しめますが、これは度数の高いお酒が苦手な方にとって少々ハードルの高い飲み方といえます。
そんなときに試したいのが、ジュースや炭酸で割って作る簡単カクテル。身近な材料で手軽に楽しめます。
- ジン × トニックウォーター
- ジン × ジンジャーエール
- ジン × コーラ
- ジン × オレンジジュース
- ジン × グレープフルーツジュース
- ジン × クランベリージュース
- ジン × トニックウォーター × グレープフルーツジュース
もっとジンカクテルを知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

ジン × トニックウォーター(ジントニック)

ジントニックはジンカクテルの定番で、かすかな甘さとほろ苦さが特徴です。
どんなジンでも美味しく仕上がり、しかも簡単に作れるおすすめのカクテルです。
- ジン:45ml
- トニックウォーター:130~150ml
- ライム:1/8個
▼作り方
①氷を入れたグラスにジンを入れます。
②カットライムを搾り入れてそのままグラスに入れ、マドラーで5〜6回転ほど混ぜてジンと果汁となじませましょう。
③トニックウォーターを注ぎます。炭酸が壊れないよう、極力氷に当てないように静かに注ぐのがポイントです。
④仕上げに1〜2回転ほど軽く混ぜればジントニックの完成です。
トニックウォーターはメーカーごとに味が違い、「ウィルキンソン」や「カナダドライ」は甘め、「シュエップス」はややドライです。好みで使い分けてみましょう。

ジン × ジンジャーエール(ジンバック)

ジンバックは甘口で飲みやすいカクテルで、ジントニック同様、ジンの種類を選びません。生姜の風味がジンのボタニカルとマッチし、爽快な味わいが楽しめます。
甘口のジンジャーエールを使えば飲みやすく、辛口ならスパイシーで刺激的なジンバックになります。
- ジン:45ml
- ジンジャーエール:130~150ml
- レモン:1/8個
▼作り方
①氷を入れたグラスにジンを入れます。
②カットレモンを搾り入れて、マドラーで5〜6回転ほど混ぜます。
③ジンジャーエールをそっと注ぎ、1〜2回転ほど軽く混ぜます。

ジン × コーラ(ジンコーク)

ジンをコーラで割ると、コーラの甘さがジンをマイルドにしてくれます。
コーラの味わいが強いので、ジン特有の風味は少し弱まるものの、その分アルコールの強さを感じにくくなるでしょう。
ボタニカルの風味があまり強くないジンを使うのがおすすめです。
- ジン:45ml
- コーラ:130~150ml
- レモンかライム:1/8個
▼作り方
①氷を入れたグラスにジンを入れます。
②カットレモンかライムを搾り入れ、マドラーで5〜6回転ほど混ぜます。
③コーラを氷に当てないように静かに注ぎ、仕上げに1〜2回転ほど軽く混ぜます。
ジン × オレンジジュース(オレンジブロッサム)

オレンジブロッサムは、優しい甘みが特徴の飲みやすいカクテルで、フルーティーでまろやかな味わいが楽しめます。
炭酸が入っていない分アルコールを感じやすいので、お好みでジンの量を調整してみてください。
- ジン:30~45ml
- オレンジジュース:130~150ml
- (お好みで)オレンジスライス
▼作り方
①氷を入れたグラスにジンを入れ、冷やしたオレンジジュースを注ぎます。
②マドラーでしっかり混ぜ合わせます。
③お好みでオレンジスライスを飾ります。
ジン × グレープフルーツジュース(ソルティドッグ・オールドスタイル)

ジンをグレープフルーツジュースで割れば、程よい苦味と酸味のあるドライな味わいが楽しめます。
ソルティドッグ・オールドスタイルと呼ばれるカクテルで、ウォッカベースで作るソルティドッグとは異なります。
- ジン:30~45ml
- グレープフルーツジュース:130~150ml
▼作り方
①氷を入れたグラスにジンを入れ、冷やしたグレープフルーツジュースを注ぎます。
②マドラーでしっかり混ぜ合わせれば完成です。
ジン × クランベリージュース

鮮やかな色合いのカクテルで、クランベリーの酸味とジンの絶妙な調和が堪能できます。
クランベリージュースを使ったカクテルには、ウォッカベースのカクテル「ケープコッダー」等があります。
- ジン:30~45ml
- クランベリージュース:130~150ml
- (お好みで)レモンスライス
▼作り方
①氷を入れたグラスにジンを入れ、クランベリージュースを注ぎます。
②マドラーでよく混ぜ合わせます。
③お好みでレモンスライスを飾ります。
ジン × トニックウォーター × グレープフルーツジュース

トニックウォーターとグレープフルーツジュースを組み合わせた、甘さを抑えたバランスの良い味わいが魅力のカクテルです。
グレープフルーツから絞ったフレッシュジュースを使うと、より一層美味しくなりますよ。
- ジン:45ml
- グレープフルーツジュース:45ml
- トニックウォーター:120ml
▼作り方
①氷を入れたグラスにジンとグレープフルーツジュースを入れ、よく混ぜます。
②トニックウォーターをそっと注ぎ、軽く混ぜます。
ジンの簡単な飲み方③ジン×○○の辛口カクテル
甘いカクテルに慣れてきたら、今度はジンらしいドライさも楽しんでみましょう。
ジンを使った、簡単な辛口カクテルを紹介します。
- ジン × ライム
- ジン × ソーダ
- ジン × ビール
- ジン × トマトジュース
ジン × ライム(ジンライム)

ジンライムなら、ジンの美味しさとボタニカルの香味をじっくり味わえます。
ジンの風味をしっかり感じたい方におすすめです。
- ジン:45ml
- ライム:1/8個
▼作り方
①ロックグラスに氷を入れ、ジンを注ぎます。
②カットライムを搾り、グラスに入れてよく混ぜます。
甘みがほしい場合は、少量のガムシロップや砂糖を加えてみてください。
ジン × ソーダ(ジンリッキー)

ジンリッキーはジンを炭酸水で割っただけのシンプルなレシピで、食中酒におすすめのカクテルです。
甘みがまったくないドライな味わいで、ジンの清涼感あふれる香りが楽しめます。
- ジン:45ml
- 炭酸水:130~150ml
- ライム:1/2個
▼作り方
①グラスにライム1/2を搾り入れてそのままグラスに入れ、氷を入れます。
②ジンを入れてマドラーで5〜6回転ほど混ぜ、ジンと果汁となじませます。
③ソーダを注ぎます。極力氷に当てないように静かに注ぎましょう。
④仕上げにマドラーを添えれば完成です。
マドラーでライムをつぶしながら、味を調整しつつ飲むのがおすすめです。
ジン × ビール(ドッグスノーズ)
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ドッグスノーズは、ジンをビールで割ったユニークなカクテルです。
ジンのボタニカルで風味付けされたビールは非常に美味しく、ついつい食が進む一杯になるでしょう。
アルコール度数が高いため、適度な量で楽しんでみてください。
- ジン:30~40ml
- ビール:250~300ml
▼作り方
①冷えたビアグラスにジンを入れます。
②よく冷えたビールをゆっくりと注ぎ、軽く混ぜ合わせます。
ジン × トマトジュース(ブラッディサム)

ブラッディサムは、トマトジュースの旨味とジンのボタニカルが調和した風味豊かな辛口カクテルです。
トマトとジンの相性は意外にも好相性で、食中酒におすすめです。
- ジン:45ml
- トマトジュース:90~120ml
- (お好みで)塩・コショウ・タバスコ・ウスターソース
▼作り方
①氷を入れたグラスにジンとトマトジュースを注ぎます。
②お好みで調味料を加え、混ぜ合わせます。
ジンのアレンジ3選
基本の飲み方に慣れてきたら、今度は自由なアレンジで遊んでみましょう。
次のアイデアを参考に、さまざまな食材と組み合わせてジンを楽しんでみてください。
- 冷凍フルーツをトッピング
- お菓子でデコレーション
- ハーブをアクセントに
冷凍フルーツをトッピング

市販の冷凍フルーツは、優秀なアレンジアイテムです。
氷代わりに冷凍フルーツを入れれば、華やかな見た目のカクテルの出来上がり。
コンビニなどで手軽に買える冷凍のストロベリーやブルーベリー、マンゴー、レモン、ライムなど、好みのフルーツを試してみましょう。
フレッシュフルーツをカットして凍らせ、ジンと合わせるのもおすすめです。
時間が経つとフルーツが溶けて、自然な甘みと酸味がジンに溶け込みます。
お菓子でデコレーション

お菓子をトッピングすることで、見た目の楽しさと味わいの変化を同時に楽しめます。
おすすめは、カラフルなグミや金平糖。パインやオレンジなどのフルーツキャンディーもおすすめです。
身近なお菓子で気軽に試してみてください。
ハーブをアクセントに

ボタニカルの風味が特徴のジンは、ハーブやスパイスと好相性です。
追加で加えることで、ジン特有の味わいが一層引き立ちます。
▼おすすめのハーブ&スパイス
- ミント
- バジル
- ローズマリー
- シナモン(パウダーでもスティックでも)
- ジュニパーベリー
- カルダモン
- コリアンダー
- 生姜
- 山椒
- コショウ
- ピンクペッパー
生姜やコショウは、ピリリとした刺激が加わります。
ボタニカルにもよく使用されている、カルダモンやコリアンダーもおすすめです。
ジンの個性が引き立つオリジナルな組み合わせを、探してみてください。
初心者におすすめのジン
コンビニやスーパーでも購入できる、リーズナブルで美味しいジンを3つ紹介します。
カクテルにも最適で、今回紹介した飲み方やアレンジも楽しめる初心者向けの銘柄です。
- ゴードン
- ビーフィーター
- ボンベイ・サファイア

ゴードン

ゴードンは、ジュニパーベリーやハーブの香りが楽しめる、クセのないロンドン ドライジンです。
250年もの歴史がある老舗のジンメーカーで、ジントニックを生んだブランドといわれています。
芯のある味わいでボディは強く、ジュースで割っても存在感が残る王道のジンです。
アルコール度数は、37.5%と43%の2種類あります。ジュースで割る場合は、力強い43%のゴードンがおすすめです。


ビーフィーター

ビーフィーターは程よい苦みと酸味のある、力強い風味を持ったロンドン ドライジンです。
名前の由来はロンドンの衛兵で、その姿がラベルに描かれています。
古い歴史を持ち、初めてボタニカルにオレンジピールを採用したことでも有名なジンです。
アルコール度数40%と47%の2種類あり、好みやお酒の強さに応じて使い分けてみてください。


ボンベイ サファイア

ボンベイ サファイアは、花のようなフローラルな芳香を持つエレガントなジンです。
滑らかな口当たりとシトラスの風味があり、ドライな飲み方でも甘口のカクテルでも美味しく楽しめます。
ラベルに描かれている女性はイギリスのビクトリア女王で、ジン業界において、ボタニカルレシピを初めて公開したブランドです。

最後に
一見とっつきにくそうに感じるジンですが、実は多様な楽しみ方ができるユニークなお酒です。
ロックやソーダ割りから始まり、フルーツジュースとの組み合わせ、冷凍フルーツやお菓子を使ったアレンジまで、アイデア次第でさまざまな飲み方で楽しめます。
同じ飲み方でもジンの銘柄によって味わいが異なるので、銘柄と飲み方の組み合わせを色々と試すのもおすすめです。
記事を参考に、ぜひジンのお気に入りの飲み方を見つけてみてください!