ウイスキーは特有の表現や用語で語られることが多く、たとえば「ピート」「モルト」「カスク」など、さまざまな言葉を目にする機会があります。
慣れないうちはとっつきにくく感じるかもしれませんが、用語の意味がわかればウイスキーの味わいや特徴がより深く理解できます。

専門用語がわかれば、ウイスキーはもっと楽しくなる!
この記事では、ウイスキーを知るうえで押さえておきたい用語を解説します。テイスティングに使われる表現や語彙も解説するので、ぜひ用語集として活用してください。


- 都内オーセンティックバーの元バーテンダー
- ウイスキーエキスパート所持
ジンやウイスキーを中心に、これまで300種類以上のお酒を飲んできました。実体験をもとに、「本当に美味しい」と思ったお酒を紹介します。
ウイスキーのテイスティング用語


ウイスキーを楽しむ上で知っておくと便利な、香りや味わいを表現する言葉をまとめました。
テイスティングで使われる専門用語
用語 | 説明 |
---|---|
ボディ | ウイスキーの重さや厚み、口に含んだ時の存在感 |
トップノート | ウイスキーを注いだ直後に立ち上がって来る、最初に感じる香り |
フィニッシュ | 飲み込んだ後に残る印象 |
アフターテイスト | 飲み込んだ後、口の中に広がる香りやフレーバー |
【一覧表】フレーバーの表現
カテゴリー | 用語・表現 |
---|---|
穀物・ シリアル系 | ・モルティ(モルト由来のふくよかな穀物香) ・シリアル、トースト、オートミール ・ビスケット、コーンフレーク、グラノーラ |
ナッツ・ 系 | ・ナッティ(ナッツのような香りや風味全般) ・アーモンド、ヘーゼルナッツ、クルミ |
砂糖・ お菓子系 | ・バニラ、ハチミツ、カラメル、トフィー(バターや砂糖を煮詰めて作るキャンディ) ・メープルシロップ、カスタードクリーム、カカオ、ダークチョコ、ミルクチョコ、ココアパウダー |
果物系 | ・フルーティ(果物のような甘い香りや風味全般) ・柑橘系、シトラス、ベリー系、トロピカルフルーツ、洋ナシ、桃 ・レーズン、イチジク |
花系 | ・フローラル(花のような香りや風味全般) ・エステリー(エステル香。香水、せっけんのような香り) ・ジャスミン、スミレ、ラベンダー |
植物・ ハーブ系 | ・ハーバル(ハーブのような香りや風味全般) ・ミント、ユーカリ、若草、干し草、タイム、ローズマリー |
スパイス系 | ・スパイシー、ペッパー、シナモン ・クミン、ナツメグ、クローブ、ショウガ、 |
ピート・ スモーキー系 | ・ピーティ(正露丸やヨードのような薬品香とスモーキーフレーバーが混じり合ったピート由来の香り) ・スモーキー(燻製のような煙っぽい香り) ・焚き火、バーベキュー、タバコ、燻製 ・ヨード、正露丸 |
海・ 潮風系 | ・ブリニー(塩気を含んだ潮風のような風味) ・ソルティ(塩気を含んだ味わい) ・海、塩味 |
樽・ 木材系 | ・ウッディ(木材のような香りや風味) ・白檀 |
【あ行】ウイスキー用語(英語)
アイラ(Islay)


スコットランド西端に位置する島で、モルトウイスキーの生産で有名。アイラモルトはピーティ、スモーキーと呼ばれる香りが強い銘柄が多く、世界中のファンに愛されている。
代表的なアイラモルトはボウモア、ラフロイグ、アードベッグなど。






アイリッシュウイスキー(Irish whisky)
アイルランドでつくられるウイスキーのことで、基本的にはノンピート。単式蒸留器による3回蒸留が特徴で、Whiskeyと表記される場合もある。
代表的なアイリッシュウイスキーはブッシュミルズ、ジェムソンなど。




アメリカンウイスキー(American Whisky)
アメリカでつくられるウイスキーのことで、トウモロコシやライ麦などの穀物が原料。バーボン、ライウイスキー、コーンウイスキーなどさまざまな種類がある。Whiskeyと表記される場合もある。
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ヴァッティング(Vatting)
モルトウイスキー同士、もしくはグレーンウイスキー同士を混ぜ合わせること。なお、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜ合わせる場合は、ブレンディングという。
ヴァッテッドモルト(Vatted Malt)
複数の蒸留所でつくられたモルトウイスキーを、ヴァッティングしたウイスキーのこと。グレーンウイスキーは入っていない。ブレンデッドモルトとも呼ばれることもある。
ウォート(Wort)
ウイスキー製造において、原料の糖化の過程でマッシュから抽出される甘い麦汁のこと。糖分を多く含み、これに酵母を加えることで発酵が始まる。
ウォッシュ(Wash)
発酵が完了したモロミのこと。ウォート(麦汁)に酵母を加えて発酵させてできたもので、アルコール度数は7〜9%ほど。
ウォッシュバック(Wash Back)
ウォート(麦汁)を発酵させるための発酵槽で、木製の槽やステンレス製がある。アメリカでは「ファーメンター」と呼ばれる。
ウッドフィニッシュ(後熟/Wood Finish)
樽で熟成させた後に、別の樽に移し替えて原酒を追加熟成させること。「後熟」ともいう。
別の樽のフレーバーを追加で付与することが目的で行われ、後熟期間は数カ月〜2年と銘柄によって異なる。使用される樽はシェリー樽、ポートワイン樽、ラム酒、マデイラ酒の樽などさまざま。
エンジェルズシェア(Angels’ Share)
日本では「天使の分け前」と呼ばれ、樽熟成の期間中に樽から蒸発して減るウイスキーのことを指す。名前の由来は、天使が少しずつウイスキーを飲んでいると考えられていたため。「天使がウイスキーを美味しくする見返りに、少しずつ味見している」とも考えられていた。


オーク樽(Oak Cask)


ウイスキーの熟成に使用される、オーク材でできた樽のこと。オークはブナ科のナラのことで、アメリカンホワイトオーク、ヨーロピアンオーク、日本のミズナラなどが樽に使用される。
ヨーロピアンオークは欧州産オークの総称で「コモンオーク」「セシルオーク」とも呼ばれる。スペイン産のコモンオークは「スパニッシュオーク」、フランス産は「フレンチオーク」となる。
オフィシャルボトル(Official Bottle)
蒸留所が瓶詰めを行い出荷するボトルで、ディスティラリーボトルと言われる場合もある。対してボトラーズ会社が瓶詰めしたものはボトラーズボトルという。
【か行】ウイスキー用語(英語)
カスク(Cask)
ウイスキーを熟成させる樽のこと。
カスクストレングス(Cask Strength)
樽出しウイスキーのこと。樽熟成させた原酒を加水せず、そのままの状態でボトリングしているため、アルコール度数は50〜60%程度と高い場合が多い。
カナディアンウイスキー(Canadian Whisky)
カナダでつくられるウイスキーで、ライトボディで飲みやすいウイスキーが多い。代表銘柄はカナディアンクラブ、クラウンローヤルなど。




間接加熱(Indirect Heating)
蒸留する際、ポットスチル内部にあるパイプに130℃前後の蒸気を通して加熱する方法。現代では多くの蒸留所で採用されている方式で、軽くてクリアな味わいのウイスキーに仕上がる傾向がある。
→直火加熱
キーモルト(Key Malt)
ブレンデッドウイスキーを構成する原酒の中で、味わいの中核を成すモルト原酒を指す。
キルン(Kiln)
ウイスキーの製造時に使用する設備で、原料の大麦麦芽を熱風で乾燥させる「乾燥塔」のこと。パゴダ(仏塔)風の屋根で蒸留所のシンボルともいえる設備だが、近年では実際に使用されていない蒸留所も多い。
グリスト(Grist)
原料の大麦麦芽を粉砕したもので、糖化(マッシング)に用いられる。粒の大きさによって3種類に分けられ、大きいものから「ハスク」「グリッツ」「フラワー」と呼ばれる。
グレーンウイスキー(Grain Whisky)
トウモロコシや小麦といった穀物を主原料としたウイスキーのことで、連続式蒸留機でつくられる。グレーンとは穀物のことで、モルトウイスキーに比べるとライトで軽やかな味わい。
後熟(Wood Finish)
【さ行】ウイスキー用語(英語)
再留(Second Distillation)
単式蒸留は通常2回行われ、再留はその2回目に行う蒸留のこと。初留(1回目)で得られるアルコール度数20〜30%の原酒が、再留することで65〜70%まで高められる。
再留に使用されるポットスチルは、再留釜と呼ばれる。
サワーマッシュ(Sour Mash)
バーボンの製法のひとつで、糖化や発酵の際に前回製造時の蒸留残液の一部を加えること。
一般的にバーボンの仕込み水は、硬水でアルカリ性のライムストーンウォーターであり、そのままでは糖化を促す酵母が働きにくい。そこで、蒸留残液を加えて酸性にすることで糖化が進みやすくなり、品質が安定する。
シェリー樽(Sherry Cask)
ウイスキーの熟成に使用される樽の種類の一つで、シェリーとはスペイン産の酒精強化ワインのこと。シェリーカスク、シェリーバットとも呼ばれる。
種類は、辛口の「オロロソシェリー樽(Oloroso sherry cask)」、甘口の「ペドロヒメネスシェリー樽(Pedro Ximénez Sherry Cask)」など。
直火加熱(Direct Heating)
蒸留時、ポットスチルの下で石炭などの燃料を焚き、1000℃以上で加熱する方法。伝統的な製法で熟練の技術を要し、力強く香ばしい味わいのウイスキーとなる傾向がある。
→間接加熱
初留(First Distillation)
単式蒸留は通常2回行われ、初留は1回目に行う蒸留のこと。アルコール度数7〜9%のウォッシュ(モロミ)は、初留により20〜30%の原酒となる。この後、再留を経てアルコール度数は65〜70%に高められる。
初留に使用されるポットスチルは、初留釜と呼ばれる。
シングルカスク(Single Cask)
ひとつの樽から瓶詰めされたウイスキーで、個々の樽によって異なる味わいを楽しめる。「シングルバレル(Single Barrel)」は同義で、主にバーボンにおいてシングルバレルと呼ばれる。
シングルモルト(Single Malt)


ひとつの蒸留所でつくられ、複数の樽のモルトウイスキーをブレンドしてボトリングしたウイスキー。なお、これがグレーンウイスキーの場合は、シングルグレーン(Single Grain)となる。
新樽(New Cask)
これまで1度も熟成に使用していない樽のこと。バーボンは、内側を焦がした新樽を使うことが法で定められてる。
→ファーストフィル
→セカンドフィル


スモールバッチ(Small Batch)
少量生産のウイスキーのことで、通常製品化される数よりも少ない樽から瓶詰めされる。
製麦(モルティング/Malting)
大麦からモルト(麦芽)をつくる、一連の工程のこと。まず、大麦を水に浸して発芽させてデンプンを糖化する酵素を生成し、その後に発芽を止めるために乾燥させればモルトが完成する。
セカンドフィル(Second Fill/2nd Fill)
熟成に使用される樽の種類のひとつ。過去にバーボンやシェリーといったお酒の熟成に使用されていた樽で、セカンドフィルは2度の熟成経験のある樽の意味。
つまり、セカンドフィルで樽熟成を行うと、この樽にとっては通算3度目の熟成ということになる。
→新樽
→ファーストフィル
【た行】ウイスキー用語(英語)
単式蒸留器(Pot Still)
ポットスチルとも呼ばれる銅製の蒸留器で、主にモルトウイスキーの製造時に使用される。初留釜・再留釜のセットが一般的で、形によって「ストレート型」「ランタン型」などと呼ばれる。
▼ストレートヘッド型
ヘッド部分がストレート。アルコールを含んだ蒸気が上がりやすいので、ヘビーな酒質になる傾向がある。
▼ランタンヘッド型
ヘッド部分にランプ(ランタン)のようなくぼみがあるもの。蒸気がヘッドの膨らんだ部分で還流するため、アルコールを含んだ重い蒸気が釜に戻りやすく、ライトな酒質になる傾向がある。
▼パルジ(ボール)型
ヘッド部分に風船のような膨らみをもつもの。ランタンヘッド同様にアルコールを含んだ蒸気が戻りやすいので、ライトな酒質になる傾向がある。
チャコール・メロウイング(Charcoal Mellowing)
テネシー・ウイスキーの製造において、蒸留後の原酒をサトウカエデの木炭層で濾過する工程。なめらかな味わいが生まれる。
デビルズカット(悪魔の取り分/Devil’s Cut)
熟成中、樽材に染み込んで回収できないウイスキーのことで「悪魔の取り分」ともよばれる。エンジェルズシェア(天使の分け前)と並んで、ウイスキーの熟成過程で失われる原酒を表す言葉として知られている。
天使の分け前(エンジェルズシェア/Angels’ Share)
糖化(マッシング/Mashing)
粉砕したモルトを温水と混ぜ合わせ、デンプンを糖に変化させる作業のこと。この工程で、発酵に必要な糖分を取り出す。温度管理が特に重要で、最適な温度で行うことでより多くの糖分を抽出できる。
→マッシュ
糖化層(マッシュタン/Mash tun)
糖化作業を行うための専用の槽。アメリカのバーボン製造では「クッカー」と呼ばれる。大きな撹拌機が付いており、均一な糖化を促す。
→マッシュ
トワイスアップ(Twice Up)
ウイスキーに、同量の常温水を加えて飲むこと。ストレートよりも香りが開きやすく、テイスティングに適した飲み方。
【な行】ウイスキー用語(英語)
ニート(Neat)


ウイスキーを、そのままストレートで飲むこと。氷も水も加えず、純粋にウイスキー本来の風味や香りを味わう飲み方。
ニューポット(New Pot)
ポットスチルから蒸留されたばかりのモルトウイスキーのこと。熟成前のため無色透明で、アルコール濃度約60〜70%。「ニューメイク」と呼ばれることもある。
なお、メーカーによっては、熟成年数が浅く3年未満のものを「ニューメイク」「ニューボーン」と呼ぶ場合もある。
ノンチルフィルター(Non-Chillfiltered)
冷却濾過を行っていない、樽出しの状態に近い製品のこと。冷却濾過を行わないことで低温時に白濁する可能性があるが、ウイスキー本来の風味や口当たりが残る。ノンチルフィルタードと呼ばれることもある。
ノンピート(Non Peated)
ピートを焚きこまずに製麦された麦芽のこと。また、その麦芽を使ってつくられたウイスキーを指す場合もある。
→ピート
【は行】ウイスキー用語(英語)
バーボン(Bourbon)
アメリカンウイスキーの一種。トウモロコシを51%以上使用し、内側を焦がした新樽で熟成させることなど、法律で細かく規定されている。原料となる穀物の配合比率(マッシュビル)やブランドによって味わいは多種多様。


麦汁(ウォート/Wort)
マッシュから抽出された甘い麦汁のこと。糖分を多く含む液体で、これに酵母を加えることで発酵が始まる。抽出する順序によって「一番麦汁」「二番麦汁」などと呼ばれ、それぞれ糖分濃度が異なる。
バット(Butt)
容量で分類した時の樽の名称で、バットは480〜500ℓ。主にシェリー酒の熟成に使用される大型の樽で「シェリーバット」とも呼ばれる。
→シェリー樽
バレル(Barrel)
容量で分類した時の樽の名称で、バレルは180〜200ℓ。バーボンウイスキーの熟成に使われる標準的なサイズで、「バーボンバレル」とも呼ばれる。
パンチョン(Puncheon)
容量で分類した時の樽の名称で、パンチョンは480〜500ℓ。ビールやラム酒に使われていた樽を組み替えた樽で、大型。小さい樽に比べて、ゆっくりと熟成が進む。
ピート(Peat)


植物が枯れて堆積し、長い期間をかけて炭化した泥炭(でいたん)のこと。ウイスキー製造では、製麦工程で麦芽を乾燥させる際の燃料として使用されることがある。この工程で麦芽に付与される独特のスモーキーな香りは「ピート香」と呼ばれ、一部のウイスキーの特徴的な個性となっている。


ピュアモルト(Pure Malt)
複数の蒸留所のモルトウイスキーをブレンドしたもので、グレーンウイスキーは一切含まない100%モルトウイスキーで構成される。ヴァッテッドモルトとほとんど同義だが、メーカーによってはシングルモルトを表している場合がある。
ファーストフィル(First Fill/1st Fill)
シェリーやバーボンの熟成に1度使われた樽で、初めてスコッチの熟成に使用する樽のこと。なお、1度スコッチ熟成に使用した後の樽は「セカンドフィル」、2度使用した後は「サードフィル」となる。
→新樽
→セカンドフィル
プルーフ(Proof)
アルコール濃度の高さを表す単位のひとつ。主にアメリカで使われる単位で、プルーフはアルコール度数の2倍の数値で表される。つまり、アルコール度数50%のウイスキーは「100プルーフ」と表記される。イギリスでは換算方法が異なり、100プルーフは57.1%となる。
ブレンダー(Blender)
ウイスキーのブレンディングやヴァッティングを行う職人のこと。優れたブレンダーは鋭い嗅覚と味覚を持ち、原酒の特性を樽ごとに把握している。複数のブレンダーがいる企業では、マスターブレンダーと呼ばれるリーダーがいる。
ブレンデッドウイスキー(Blended Whisky)
モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜ合わせたウイスキー。複数の蒸留所のモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドすることで、バランスの取れた味わいと一貫した品質を実現している。
ブレンデッドモルト(Blended Malt)
フロアモルティング(Floor Malting)


製麦の際、発芽を均一に促すため床(フロア)に浸漬した大麦を広げて、シャベルで攪拌する作業。現在は専門業者が機械で行うことが多く、フロアモルティングを行う蒸留所は少なくなった。
ホグスヘッド(Hogshead)
容量で分類した時の樽の名称で、ホグスヘッドは220〜250ℓ。バーボン樽を分解し、新たな材を加えて組み直して作られることが多い。ウイスキーを詰めた重さが豚1頭分に相当するため、ホグスヘッド(豚の頭)と名付けられたといわれている。
ポットスチル(Pot Still)
ボトラーズ(Bottlers)
独立瓶詰業者。蒸留所からウイスキーを樽ごと買い付け、独自に熟成、瓶詰めして販売する会社のこと。インディペンデント・ボトラーズとも呼ばれ、対して蒸留所がリリースするウイスキーはオフィシャルボトルと呼ばれる。
【ま行】ウイスキー用語(英語)
マッシュ(Mash)
モルトや穀物を温水と混ぜ合わせた、かゆ状の状態のもの。このマッシュの中で、モルトに含まれる酵素の働きによって、デンプンが分解されて糖に変化する。
マッシュタン(Mash tun)
→糖化層
マッシュビル(Mash Bill)
バーボンをつくる原料穀物の、配合比率のこと。トウモロコシ、ライ麦、小麦、大麦などが混合する割合を示し、配合比率がバーボンの味わいを大きく左右する。各蒸留所は独自のマッシュビルを持ち、これがブランドの個性を形成する。
マッシング(Mashing)
→糖化
マリッジ(Marriage)
原酒をブレンディング(もしくはヴァッティング)して再び樽に入れてなじませること。なお、「ダブルマリッジ」とはモルトウイスキー同士、またはグレーンウイスキー同士をマリッジした後、これらをブレンドして再度樽で熟成させることを指す。
モルティング(Malting)
→製麦
モルト(Malt)


大麦を発芽させてつくられる大麦麦芽のことで、ウイスキーづくりに欠かせない原料。発芽の過程で酵素が生成され、デンプンを糖に変える力を持つようになる。ライ麦から作られる麦芽は「ライモルト」と呼ばれる。
モルトウイスキー(Malt Whisky)
モルトのみでつくられたウイスキーのこと。
【ら行】ウイスキー用語(英語)
ライムストーンウォーター(Limestone Water)
石灰岩層から湧く水のことで、バーボン製造の仕込み水に使用される。石灰岩をろ過して湧き出た水で、ミネラルが豊富に含まれているのが特徴。
リフィル樽(Refill Cask)
スコッチ熟成に1回以上使用した樽の総称で、リフィルカスクとも呼ばれる。セカンドフィル以降の樽を指す。
冷却濾過(チルフィルタード/Chillfiltered)
瓶詰め前に行われる工程のひとつ。ウイスキー原酒は低温になると、香味成分の一部が要因となって白濁してしまう。そのため、通常のウイスキーはこれを防ぐために、約0〜5度まで冷却した状態で濾過し、白濁の原因成分を除去する。チルフィルター、チルフィルタリングとも呼ばれ、見た目の透明度を保つために行われる。
→ノンチルフィルター
ウイスキーの主要なコンペティション
ウイスキーの世界では、品質や味わいを評価するための国際的な賞やコンペティションが複数存在します。
これらは世界中の専門家によって審査され、受賞は品質の高さを示す重要な指標と言えるでしょう。
代表的なウイスキーのコンペティションを紹介します。
ISC(International Spirits Challenge)
ISCはインターナショナル・スピリッツ・チャレンジの略で、世界三大酒類コンペティションのひとつ。イギリスで毎年開催され、香味を評価する「テイスティングアワード」、デザインを評価する「デザイン&パッケージングアワード」、蒸溜所の魅力を評価する「スピリッツツーリズムアワード」の3ジャンルがある。
テイスティングアワードには、世界約70カ国から約2,200品以上のスピリッツが出品される。ウイスキー部門の審査では、世界のウイスキー蒸留所のブレンダーやマネージャーがブラインドテイスティングし、賞を決定。優れているものから順に「最高金賞(Double Gold)」「金賞(Gold)」「銀賞(Silver)」「銅賞(Bronze)」が決定される。
IWSC(International Wine & Spirit Competition)
IWSCはインターナショナル・ワイン・アンド・スピリット・コンペティションの略で、世界三大酒類コンペティションのひとつ。1969年にイギリスで設立され、ワイン、スピリッツ、リキュールを評価対象としている。審査はブラインドテイスティングで行われ、各部門から金・銀・銅が選出される。金賞の中で特に優秀な製品には、最優秀賞のトロフィーが与えられる。
SFWSC(San Francisco World Spirits Competition)
SFWSCはサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションの略で、世界三大酒類コンペティションのひとつ。2000年に設立され、毎年サンフランシスコで開催されている。審査はバーテンダー、シェフ、バイヤー、ジャーナリストなどがブラインドで行い、「最高金賞(Double Gold)」「金賞(Gold)」「銀賞(Silver)」「銅賞(Bronze)」の各賞を決定する。
TWSC(Tokyo Whisky & Spirits Competition)
TWSCは東京ウイスキー&スピリッツコンペティションの略で、世界中のウイスキーおよびスピリッツを審査する日本で唯一の品評会。世界中の高品質なウイスキー・スピリッツの発信や、文化の発展を担う国内の飲み手の育成を目的に、2019年に開催がはじまった。運営は、ウイスキー評論家の土屋守が代表を務めるウイスキー文化研究所。
WWA(World Whisky Awards)
WWAはワールド・ウイスキー・アワードの略で、製造者や所有元の明確なオフィシャルボトルのウイスキーのみを対象としたコンペティション。主催は、ウイスキー専門誌「Whisky Magazine」の発行元であるイギリスのパラグラフ・パブリッシング社。テイスト部門とデザイン部門があり、2025年の大会では、世界46地域から史上最多となる1700銘柄以上のエントリーがあった。
テイスト部門は3ラウンドに分かれて審査され、第1・第2ラウンドは国内審査、第3ラウンドが世界No.1を決める海外審査となる。
▼第1ラウンド
審査は出品国それぞれで行われ、ウイスキー専門家やジャーナリスト、酒類小売業者などが審査する。「ブレンデッドモルト」「シングルモルト」「ブレンデッドウイスキー」などの各カテゴリーの中に、さらにサブカテゴリー(ノンエイジ、12年以下など)を設け、それぞれの「ウィナー(Winner)」「金」「銀」「銅」を決定する。
▼第2ラウンド
第1ラウンドで選出された、サブカテゴリーの「ウィナー(Winner)」を試飲し、各カテゴリーの「ベスト」を選出する。第2ラウンドに進めるのは、エントリーされた全ウイスキーの上位10%ほど。日本で選出されたベストは「ベストジャパニーズ」の称号が与えられ、最終の第3ラウンドに進む。
▼第3ラウンド
2ラウンドで選出された各国の「ベスト」を試飲し、各カテゴリーの「ワールドベスト(世界最高賞)」を決定する。審査員には、第1・第2ラウンドの審査員に加え、第一線で活躍する蒸留所経営者やウイスキー業界の専門家が加わる。
かつてワールドベストを受賞したジャパニーズには、「白州」「響」「山崎」「イチローズモルト」「竹鶴」などがある。
最後に


ウイスキー用語を解説しました。
用語を知れば、ウイスキーを理解しやすくなるだけでなく、自分の好みも言葉で表現しやすくなります。
気に入った表現や用語を覚えたら、早速バーで使ってみてください。
この用語辞典を通じて、皆さんのウイスキーライフがより豊かになることを願っています!

