「ブードルス」はスコットランド産のジンです。
長年、バーテンダーに愛され、マティーニのベースにぴったりと評判の「ブードルス」。
その「ブードルス」ジンのこだわりのボタニカルや製法、名前の由来を解説します。
- 都内オーセンティックバーの元バーテンダー
- ウイスキーエキスパート所持
ジンやウイスキーを中心に、これまで300種類以上のお酒を飲んできました。実体験をもとに、「本当に美味しい」と思ったお酒を紹介します。
「ブードルス」とは
「ブードルス」とはイギリス産のロンドン・ドライジンで、キレのあるドライな風味が特徴です。
代表銘柄 | Boodles British Gin |
原産国/種類 | イギリス |
所有者 | Proximo Spirits, Inc |
製造 | G&J Greenall |
ボタニカル | 9種類 |
公式サイトで、ブードルスを持って海辺を歩く素敵な紳士のイメージ動画が見られます。
30秒で読める!「ブードルス」の特徴5つ
「ブードルス」の特徴は次の5つです。
- 「ブードルス」の名前の由来は、有名な紳士の社交場の名前
- 蒸留方法は、ボタニカルの繊細な香りをキープする減圧蒸留方式
- ボタニカルには柑橘系を一切使用しないこだわり
- 2012年の一度終売したが、リニューアルされて再販
- ブードルスの最適な飲み方は「マティーニ」
「ブードルス」の味/レビュー
ロンドン・ドライジンらしいキレのあるクリアな味わいで、ドライなジンが好きな人におすすめです。
ハーブ系の風味が強く、例えばフローラルな「ボンベイサファイア」と比べると、風味はかなり違います。
ライムやレモン、オレンジピールを加えることで、よりおいしく飲めるでしょう。
名前の由来・デザイン
名前の由来は、イギリスの上流階級の男性が設立した社交クラブ、「ブードルズ・ジェントルマン・クラブ」から。
「ブードルズ・ジェントルマン・クラブ」とは、1762 年にロンドンのセントジェームスにあった社交クラブで、エドワード・ブードルという人物が運営していました。
「ブードルズ・ジェントルマン・クラブ」には、イギリス首相のウィンストン・チャーチルが所属していたといわれています。
「ブードルス」の紺色のラベルには「1845」の数字が印字されており、これは「ブードルス」ジンが誕生した年を表しています。
「ブードルス」の製法
ドライな味わいを生み出す、「ブードルス」の製法と、ボタニカルについて解説します。
製法
「ブードルス」の原料はイギリス産の小麦。
スピリッツを蒸留するのはカーターヘッド蒸留器で、減圧蒸留方式で製造されています。
減圧蒸留方式とは、その名のとおり蒸留器内を減圧して蒸留する方式のことで、低温で蒸留できることがメリットです。
常圧だと蒸留時の温度が高くなり熱分解の化学反応が起こるため、場合によっては焦げ臭さや酸化臭が発生してしまいます。
減圧蒸留で温度を低くすれば、香りの繊細さ、酒質の軽やかさをキープでき、ボタニカルのフレッシュな香りを抽出できるのです。
減圧蒸留方式で造られる「ブードルス」 は口当たりが軽く、ボタニカルの繊細なフレーバーをしっかりと感じ取ることができます。
なお、精製されたスピリッツは、2種のアルコール度数でボトリングされており、「アメリカ市場向けは 45.2%」、「イギリス市場向けは 40%」で製造されています。
ボタニカル
ボタニカルは9種類で、伝統的なハーブやスパイスが使用されています。
- ジュニパーベリー
- ナツメグ
- セージ
- ローズマリー
- キャラウエイ
- アンジェリカルート
- アンジェリカシード
- コリアンダー
- カッシアの樹皮
他の多くのジンと違うところは、柑橘類が含まれていないことです。
ジンを使ってカクテルを作る際にレモンやライムが使用されることを見越して、「ブードルス」は、あえて柑橘系ボタニカルを使用していません。
ジンのボタニカルについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
「ブードルス」の歴史【終売からの復活】
「ブードルス」の誕生と所有会社の変遷、終売からの復活などを紹介します。
1845年に誕生
「ブードルス」は1845年に誕生しました。
もともとコックラッセル & カンパニー(Cock Russell and Company)によって製造され、アメリカのシーグラム社でボトリングされていました。
2000年にシーグラム社の資産が別の企業グループに売却されることとなり、酒造部門の譲渡を受けたペルノ・リカールが、「ブードルス」の所有者になりました。
終売からの復活
「ブードルス」は、2012年に一度終売しましたが、2012 年にProximo Spirits Inc. が「ブードルス」を買収したことで復活しました。
オーナーが変わり、「ブードルス」は2013年10 月にボトルデザインとアルコール度数を再設計され、イギリスでリリースされました。
「ブードルス」の飲み方・おすすめのカクテル
「ブードルス」でおすすめの飲み方はマティーニです。
イギリスの首相だったウィンストン・チャーチルは、「ブードルス」で作ったマティーニを好んで飲んでいたという逸話が残っています。
また、ロックスタイルに、ライムを軽く搾って飲むジンライムもおすすめです。
ドライな味わいで楽しんでみてください。
公式サイトでは、さまざまなカクテルレシピが公開されています。
「ブードルス」のラインナップ
「ブードルス」のラインナップを紹介します。
ブードルス ジン
「ブードルス」のスタンダードボトル。
並行輸入品の場合、アルコール度数45.2%と40%があるので注意しましょう。
45.2%のほうが、ボディが強いのでカクテル向きです。
【旧ボトル】ブードルス ジン
2012年に終売した、スコットランド産「ブードルス」にはライオン描かれていて、オークションでは今でも人気です。
ボトルのデザインは、シーグラム創立者サムエル・ブロンフマン。
ラベルには製造社である「コックラッセル&カンパニー」の文字が印字されています。
カクテル ベースとしてはもちろん、ストレート飲んで個性的な味わいを堪能したい1本です。
ブードルス ルバーブ&ストロベリージン
「ブードルス ルバーブ&ストロベリージン」は、新鮮なルバーブとジューシーなイチゴの味が特徴のピンク色のジンです。
ルバーブ(Rhubarb)とはシベリア原産のタデ科多年草の植物で、和名は、食用大黄(だいおう)。
独特の香りと酸味が特徴的で、ペクチンを多く含むためイギリスでは昔からジャムやゼリーに利用されていました。
甘酸っぱくフルーティーな風味のキュートなジンです。
最後に
「ブードルス」ジンの特徴を紹介しました。
柑橘不使用の「ブードルス」のドライな味わいを、ぜひ一度味わってみてください。
マティーニにも最適なので、カクテルが好きな方はBarでオーダーしてみてくださいね。