「ボンベイ・サファイア」とは|味や製法、おすすめの飲み方を解説!

「ボンベイ・サファイア」とは|味や製法、おすすめの飲み方を解説!

ブルーのボトルが美しい「ボンベイ・サファイア」は、ラグジュアリーなデザインのプレミアムジン。
現在はバカルディ社の所有で、世界でトップクラスの売り上げをほこります。

この記事では「ボンベイ・サファイア」の味や製法、誕生のきっかけを紹介します。
「ボンベイ」ジンが生まれたストーリーを知りたい方、味やおいしい飲み方を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人
まむ
  • 都内オーセンティックバーの元バーテンダー
  • ウイスキーエキスパート所持

ジンやウイスキーを中心に、これまで300種類以上のお酒を飲んできました。実体験をもとに、「本当に美味しい」と思ったお酒を紹介します。

目次

「ボンベイ・サファイア」とは

「ボンベイ・サファイア」は、イギリス産のプレミアムジン。
スタンダードラインには、透明なボトルの「ボンベイ・ドライジン」があります。

代表銘柄Bombay Dry Gin/Bombay Sapphire
種類ロンドン ドライジン
原産国イギリス
製造元バカルディ/バカルディジャパン
蒸留所ラヴァーストーク・ミル(Laverstoke Mill)蒸留所
ボタニカル8種類/10種類

30秒で読める!「ボンベイ・サファイア」の特徴5つ

「ボンベイ・サファイア」の特徴を5つ紹介します。

  • 銘柄の名前の由来は、インドの地名「ボンベイ」から
  • ラベルに描かれた女性は、イギリスのビクトリア女王
  • ジン業界において、ボタニカルレシピを始めて公開したブランド
  • 「マスター・ボタニカル」というボタニカルの専門家が存在する
  • 製造は、ヴェイパー・インフュージョン法(蒸気抽出法)を採用

【レビュー】「ボンベイ・サファイア」の味

「ボンベイ・サファイア」は10種のボタニカルがバランスよく混ざり合っていて、シトラスと花の香りと楽しめます。

まむ

シトラス香がある上にほんのり甘みもあり。

ストレートやロックでも美味しい!

コリアンダー由来のピリッとした苦味もいいアクセント。
滑らかな口当たりと長く続く余韻も良く、カクテルベースとしてもおすすめの万能なジンです。

名前の由来

「ボンベイ」の名前の由来は、インドの街「ボンベイ(現ムンバイ)」です。
1960年、このジンの販売権を獲得した人物が、イギリス出身の奥さんにちなんで、イギリスらしい名前を付けることにしました。

当時、イギリスはヴィクトリア女王が統治しており、インドを統治下に置くほどの栄華をほこっていました。
そのイギリスの栄華の象徴としてインドの街の名前「ボンベイ」がジンの名前に選ばれ、「ボンベイ・ドライジン」が誕生します。

「ボンベイ・ドライジン」のプレミアムラインが「ボンベイ・サファイア」で、こちらはインドの有名なサファイア「スター・オブ・ボンベイ」が名前の由来です。

まむ

今は「ボンベイ・サファイア」のほうが有名ですね。

「ボンベイ・サファイア」のデザイン

ボンベイサファイアのボトル

「ボンベイ・サファイア」は洗練されたラグジュアリーなイメージのブルーボトルで、ラベルにイギリスを統治していたヴィクトリア女王が描かれています。

ボトル下部の「1761」という数字はレシピが作成された年を表しており、ボトルのサイドには10種類のボタニカルのイラストが描かれています。

「ボンベイ・サファイア」の製法

「ボンベイ」は、ジン業界においてボタニカルの中身を開示した初のブランドです。
発売当時、商品の肝であるジンのレシピは非公開なのが業界の常識でしたが、「ボンベイ」はそれを打ち破りました。ボタニカルの種類や産地を公開し、ボトルに記載することでブランド価値を高め、品質の高さをアピールしています。

ボタニカルと「マスター・オブ・ボタニカル」の存在

ボンベイサファイアのボタニカルのイラスト

「ボンベイ・サファイア」の基本となるボタニカルは、次の10種類です。

  • ギニアショウガ(グレインズ・オブ・パラダイス)
  • オリス
  • 甘草(リコリス)
  • アンジェリカルート
  • アーモンド
  • ジュニパーベリー
  • クベブベリー
  • コリアンダーシード
  • カシア樹皮
  • レモンピール

モロッコ産のコリアンダーシードや西アフリカのギニアショウガのスパイスなど、ボタニカルは世界中から集められています。
このボタニカル選別の責任者が、マスター・オブ・ボタニカルと呼ばれるイヴァノ・トヌッティ氏
イヴァノ・トヌッティ氏は自ら現地に赴き原料を選別し、選ばれた原料は手作業でドライボタニカルにされ、丁寧に原材料化されます。

なお、スピリッツの原量にはスコットランド産の小麦が使用されています。

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ヴェイパー・インフュージョン製法

カーターヘッドスチル

「ボンベイ・サファイア」はヴェイパー・インフュージョン(蒸気抽出法)と呼ばれる製法が特徴です。

ヴェイパー・インフュージョン法は、1831年、創業者トーマス・デイキンの孫娘であるメアリーが開発した製法で、「ボンベイ・サファイア」の製造工程は次のとおりです。

  1. 蒸留
  2. 蒸気をボタニカルにくぐらせる(ヴェイパー・インフュージョン/蒸気抽出法)
  3. 冷却
  4. ボトリング

ヴェイパー・インフュージョンでは、穴のあいた銅製のバスケット(ボタニカル・バスケット)の中にボタニカルを吊るし、スピリッツの蒸気を通過させます。

まむ

蒸気がボタニカル・バスケットを通過することで、スピリッツに香りが移ります。

ほかに、香りを移す方法として、直接浸透させる「浸漬法(スティーピング製法)」がありますが、「ボンベイ・サファイア」はボタニカルをスピリッツに直接浸すことはしません。
ボタニカルを漬け込まないことで余分な香味が加わらず、繊細で華やかな香りとクリアな味わいが生まれます。

このヴェイパー・インフュージョン製法でつくられた「ボンベイ・サファイア」は評判を呼び、リリース当時はジンのイメージ向上に一役買いました。

「ボンベイ・ドライジン」の歴史【創業・蒸留所】

ボンベイとボタニカル

「ボンベイ・ドライジン」の始まりは、1761年。
創業者トーマス・デイキンという人物が、ジンの蒸留を目的にイギリスのウォーリントンの土地を購入したことから始まります。

トーマス・デイキンのつくった「デイキン・ウォーリントン・ドライジン」が、現在の「ボンベイ・ドライジン」の前身。
「デイキン・ウォーリントン・ドライジン」の誕生から、「ボンベイ・ドライジン」となるまでの歴史を紹介します。

創業者トーマス・デイキン

1761年、トーマス・デイキンが、イギリス北西部のウォーリントンに土地を購入し、ブリッジストリートに蒸留所を建設しました。
トーマスは高品質のジンを造るために、ボタニカルやほかの原料を集めて研究を重ね、やがて「デイキン・ウォーリントン・ドライジン」を生み出しました。

デイキン家からグリーナール家へ

トーマス・デイキンが亡くなると、息子のエドワード・デイキンがレシピと蒸留所を継承します。
やがて、その息子ウィリアム・デイキンに引き継がれ、その後はエドワード・グリーナールに事業が引き継がれました。

グリーナールは、ランカシャー州セントへレンズの醸造家で、このとき「デイキン・ウォーリントン・ドライジン」は「グリーナール・ウォーリントン・ドライジン」と改名されました。
名前は変わりましたが、レシピは1761年のデイキン家のオリジナルレシピに基づいてつくられていました。

販売権を獲得したアラン・スピン

ボンベイドライジン

次にジンの販売権を獲得したのは、アラン・スビンというアメリカ人です。
アラン・スビンはシーグラム社勤務経験のある弁護士で、ジンの輸入などを行っていました。

そして1960年、アランはトーマス・デイキンのレシピに出合い「グリーナール・ウォーリントン・ドライジン」の販売権を獲得。
名前を変えて「ボンベイ・ドライジン」として販売しました。

アランが販売権を獲得してから20年以上たった1987年に「ボンベイ・サファイア」が誕生し、販売が開始されました。

ラヴァーストーク・ミル蒸留所

蒸留所

現在、「ボンベイ・サファイア」を製造しているのは、イギリス西南部にあるラヴァーストーク・ミル蒸留所です。
2010年にボンベイ・スピリッツ社が購入し、2014年にはビジターセンターとして一般公開されました。

希少な蒸留機「カーターヘッド・スチル」

蒸留所には、ウォーリントンの蒸留所から移転させた、2機のスチルがあります。

スチルには、創業者デイキン氏とその家族の名前にちなんで「トーマス」と「メアリー」と名前が付けられています。
この蒸留機は蒸気抽出法のために特注された、世界でも4機しかないといわれているカーターヘッド・スチルです。

ボタニカルを育てる温室 

蒸留所の敷地内には、ボタニカルを栽培する温室があります。
なお、この温室内の植物は観賞用で、ボンベイ・サファイアの製造には使われません。

「ボンベイ・サファイア」の飲み方・おすすめのカクテル

ジンのカクテル

おすすめなのは、シンプルなジンライムです。
「ボンベイ・サファイア」の繊細な香りを堪能したい場合、シンプルな飲み方がおすすめです。

まむ

ライムのみずみずしさが心地よい、美味しいジンライムが作れますよ。

ジンライムの基本レシピ
  1. ロックグラスに大きめの氷を入れる
  2. グラスに「ボンベイ・サファイア」を30~40mlそそぐ
  3. 8分の1にカットしたライムを搾り、よくステアして完成

ポイントはライムを軽く搾ることです。ライムを力いっぱい搾ると、果汁は増えますがえぐみが出でしまいす。
優しく搾りよくステアして、氷とライムをジンとなじませましょう。

他にも、「ボンベイ・サファイア」の公式サイトで、さまざまなカクテルレシピが公開されています。

ボンベイ・サファイア|カクテルの作り方

「ボンベイ」ジンのラインナップ

並べられたボンベイサファイア

「ボンベイ」ジンの、日本国内で販売されている次のラインナップを紹介します。

  • ボンベイ・サファイア
  • ボンベイ・ドライ ジン
  • スター・オブ・ボンベイ
  • ボンベイ・サファイア サンセット

なお、日本に輸入されている上記銘柄以外にも、「ボンベイ」ではシトロンやラズベリーのフレーバードジンなど、さまざまな種類をリリースしています。

Bombay Gin Types | Premium Gins from Bombay Sapphire

ボンベイ・ドライジン

1761年に誕生したレシピを元に製造されるオーセンティックな味わいのロンドンドライジン。
ラベルにも「1761」とレシピの開発された年が表記されています。

使用しているボタニカルは8種類で、アルコール度数40%とやや低めです。
「ボンベイ・サファイア」よりもジュニパーの風味が強く感じられ、加えてシトラスとハーブの余韻も楽しめます。

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ボンベイ・サファイア

アルコール度数47%のプレミアムジンで、10種のボタニカルの力強さがしっかりと味わえます。
50mlのミニチュアサイズから1Lサイズまで、4種の容量で販売されています。

スター・オブ・ボンベイ

「ボンベイ・サファイア」の10種のボタニカルに、次の2つを加えたスーパープレミアムジンです。

  • イタリア産ベルガモット
  • エクアドル産アンブレットシード

通常の1.5倍の時間をかけて丁寧に蒸留されており、ボタニカル選別の手間をかけた極上の逸品です。

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ボンベイ・サファイア プレミア クリュ

「ボンベイ・サファイア プレミア クリュ」は2023年2月に発売したジンで、ハンドメイドで少量生産されるスーパープレミアムジン

通常のボンベイ・サファイアに使用されているボタニカル10種に加え、マンダリンオレンジピール、スイートオレンジピールの2種を追加しています。

柑橘の香りとほのかなスパイシーさ、フルーティかつエレガントな味わいが楽しめます。

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ボンベイ・サファイア サンセット

「ボンベイ・サファイア サンセット」は、数量限定でリリースされるジン。
ボンベイ・サファイア」のボタニカル10種に、次の3種のボタニカルを追加しています。

  • ホワイトカルダモン
  • ターメリック
  • マンダリンオレンジピール

この3つのボタニカルを加えることで、スパイシーさがアップ。
アルコール度数は43%で「ボンベイ・サファイア(47%)」よりも低く、マイルドな分ボタニカルの風味を感じやすくなっています。

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最後に

「ボンベイ・サファイア」について紹介しました。

「ボンベイ」は、業界初のレシピ公開や、マスター・オブ・ボタニカルという専門家を置くこだわり、さらにヴェイパー・インフュージョン製法による繊細な香りづけなど、ジン業界にさまざまな革命を起こしてきました。

革新的なジン「ボンベイ・サファイア」を、ぜひ一度味わってみてください。

「ボンベイ・サファイア」とは|味や製法、おすすめの飲み方を解説!

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