ヘイマンズ ジンは、イギリスのジン一家「ヘイマン家」が造るジンで、伝統的なレシピが採用されています。
王道のジンらしさが味わえる「ヘイマンズ」 のジンについて、当記事では種類や飲み方、歴史を詳しく解説します。
「ヘイマンズ」のジンを試してみたい方、どんなジンか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
人気のヘイマンズ オールド トム ジンもあわせて紹介します。
- 都内オーセンティックバーの元バーテンダー
- ウイスキーエキスパート所持
ジンやウイスキーを中心に、これまで300種類以上のお酒を飲んできました。実体験をもとに、「本当に美味しい」と思ったお酒を紹介します。
ヘイマンズ ジンとは
ヘイマンズ ジンとは、イギリスのヘイマン社が造るロンドン・ドライジンです。
1863年の創業以来、代々受け継がれているレシピを150年以上守って造られているジンで、イギリス国内では非常に人気の高いブランド。
ロンドン・ドライジンの他、ほんのり甘いヘイマンズ オールド トム ジンも有名です。
代表銘柄 | Hayman’s London Dry Gin/Hayman’s Old Tom Gin |
原産国 | イングランド |
製造元 | ヘイマン・ディスティラーズ(Hayman Distillers Ltd.) |
輸入元 | 国分グループ |
ボタニカル | 10種類 |
30秒で読める!ヘイマンズ ジンの5つの特徴
「ヘイマンズ ジン」の特徴は次の5つです。
- ヘイマンズ開発者は、ビーフィーター創業者のひ孫
- ジンのレシピは、150年以上前に開発されたレシピ
- ポットスチルの名前は「マージョリー」「カリン」「ミランダ」(家族の名前)
- 「ドライジン」も「オールドトムジン」もボタニカルの種類は一緒
- ドライジンのみならず、ヘイマンズ オールドトムジンも大人気
次章から詳しく解説します。
ヘイマンズ ジンの名前の由来・デザイン
ヘイマンは創業者の名前で、そのままブランドの名前となっています。
ボトルには、ヘイマン家の紋章が描かれています。
ヘイマンズ ジンの製法
ヘイマンズ ジンの製法とボタニカルについて解説します。
製法
ヘイマンズ ジンは、イギリス産の小麦から造られたスピリッツをベースに10種類のボタニカルを加えて蒸留しており、採用しているレシピは150 年以上前に開発されたレシピです。
ヘイマンズ蒸留所にはスチルが3種類あり、それぞれヘイマン家の家族の名前がつけられています。
スチルには「マージョリー」「カリン」「ミランダ」の3種類あり、容量に違いがあります。
それぞれの容量は以下のとおりです。
- マージョリー(容量450L)
- カリン(容量1000L)
- ミランダ(容量140L)
ボタニカル
ボタニカルは、蒸留の前にスピリッツの中に1日漬け込まれます。
ヘイマンズのジンは、世界各国から厳選された以下10種のボタニカルが使用されています。
- ジュニパーベリー(ブルガリア産、マケドニア産)
- レモンピール(スペイン産)
- オレンジピール(スペイン産)
- カッシアシナモン(中国産)
- セイロンシナモン(マダガスカル産)
- ナツメグ(インド産)
- アンジェリカルート(ベルギー産、フランス産)
- オリスルート(イタリア産)
- コリアンダーシード(ブルガリア産)
- リコリスルート(スリランカ産)
ヘイマンズはどの銘柄にも10種類のボタニカルを使用していて、銘柄によってそれぞれのボタニカル量を調整しています。
例えば、ヘイマンズ オールドトムジン(糖分を加えたジン)は、ヘイマンズ ロンドンドライジンの2倍のジュニパーベリーを使って製造されています。
ジンのボタニカルについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
ヘイマンズ ジンの歴史
ヘイマンズ社を創業したのはクリストファー・ヘイマンという人物で、彼はビーフィーターを開発したジェームズ・バローのひ孫です。
ジェームズ・バローが「バロー社」を創業したところからはじまったヘイマンズの歴史を、次の事柄に沿って紹介します。
- ジェームズ・バローがバロー社を創業
- バロー社の事業継承と発展
- ウィットブレッドへの事業売却
- クリストファー・ヘイマンによる事業の買戻し
- ヘイマス ジンの誕生
ジェームズ・バローがバロー社を創業
ジェームズ・バローは、ビーフィーターの生みの親です。
1863年、ジェームズ・バローはビーフィーター蒸留所の前身であるチェルシー蒸留所を買収し、自らの名前を冠したバロー社を創業しました。
そこでジェームズ・バローは、ジンをはじめとするお酒を製造・販売し、看板商品であるビーフィーターを開発しました。
バロー社の事業継承と発展
1897年にジェームズ・バローが62歳で亡くなり、バロー社の事業を引き継いだ息子たちは、新しい蒸留所を造って事業を拡大していきました。
1930年代に入り、家業は継承した3代目は、創業者ジェームズ・バローの孫にあたるエリック・バロー、ノーマン・バロー、マージョリー・バローで、3人はさらに事業を発展させます。
やがて、マージョリー・バローと夫のネヴィル・ヘイマンの息子であるクリストファー・ヘイマンが、1969年にジェームズ・バロー社に入社。
このクリストファー・ヘイマンこそが、後のヘイマンズの創業者です。
ウィットブレッドへの事業売却
やがてバロー社の株式はビール醸造事業を営むウィットブレッドに売却されますが、クリストファー・ヘイマンは、ウィットブレッドのスピリッツ製造部門のディレクターとして残留しました。
クリストファー・ヘイマンはウィットブレッドで、スコッチのラフロイグやアードモアの製造、ロンドンにあるビーフィーター蒸留所の管理などの経験を積みます。
クリストファー・ヘイマンによる事業の買戻し
ウィットブレッドがバロー社から買い取った事業を売却することを決定すると、家業を取り戻したいと考えていたクリストファー・ヘイマンは、ウィットブレッドよりスピリッツ部門の事業の一部を購入します。
ロンドン南部の蒸留所も併せて買い戻し、かつての家業だったジンの蒸留を行いました。
買い戻した当初は、まだ「ヘイマンズ」という蒸留所名ではありませんでした。
ヘイマス ジンの誕生
2004年、クリストファー・ヘイマンの息子ジェームズと娘のミランダが事業に加わって「ヘイマンズ」を創業し、同年最初のヘイマンズ ジンをリリースしました。
2013年には新しいスチルを設置し、曾祖父であるジェームズ・バローが1863年当時に開発したレシピでジンを蒸留しています。
ヘイマンズ ジンの飲み方・おすすめのカクテル
ヘイマンズジンは、下記のようなクラシックなカクテルにして飲むのがおすすめです。
- ドライ・マティーニ
- ジントニック
- ジンライム
クラシックなカクテルは、伝統的なレシピで造ったヘイマンズのおいしさを十分に引き出してくれます。
マティーニやジントニックは、ドライに作って飲むのがおすすめ!
公式サイトでは、他に「ヘイマンズ」のさまざまなカクテルレシピが公開されています。
ヘイマンズのラインナップ
ヘイマンズのラインナップを紹介します。
ヘイマンズ ロンドン・ドライジン
創設以来、150年以上守り続けたレシピで製造される、ヘイマン社の看板商品。
日本ではもちろん、ジンの本場イギリスでも確固たる地位を築いてるプレミアムジンです。
芳醇な香りとすっきりとした味わいで、カクテルベースとして非常に優秀なジンです。
ヘイマンズ オールド トム ジン
糖蜜が約2%含まれていて、独特のまろやかさがあるオールド トム ジン。
自然な甘みがあり、ロックやジンライムにして飲むのがおすすめです。
「オールド トム」の名の由来は、1800年代のジン密売所の看板、黒猫のオールド・トム・キャットで、「オールド トム ジン」は、当時のレシピを再現したジンです。
ヘイマンズ スロージン/スパイシースロージン
ヘイマンズの「スロージン」は、秋に収穫された野生のスローベリー(西洋すもも)を数カ月浸漬して造られていて、果実の甘さと酸味があり、ソーダやジンジャエールで割って気軽に飲めます。
「スパイシースロージン」はシナモン、ナツメグ、スターアニスなどのスパイス入りで、ワインと合わせたり、ホットドリンクにした利して楽しめます。
ヘイマンズ エキゾチックシトラスジン
キンカン、ザボン、ライム、マンダリンといったエキゾチックなシトラスフレーバーのジン。
フレッシュでみずみずしい、さっぱりとした味わいです。
ヘイマンズ ロイヤル ドッグ ジン
1863年にイギリス海軍に供給されていたジンで、「ネイビーストレングス」といわれるアルコール度数57%でボトリング。
ジュニパー、コリアンダー、シトラスのバランスがよく、高いアルコール度数由来の力強い味わいです。
最後に
伝統を守り、古くからある優れたジンレシピを伝え続けるヘイマンズ ジンについて紹介しました。
スタンダードなドライジン以外にも、オールドトムジンやシトラスジンなど、他のラインナップも魅力的です。
ぜひ一度味わってみてください。