力強く骨太な味わいの「ビクトリアンバット」は、イギリス生まれのロンドン ドライジンで、ビクトリア朝時代の製法を取り入れている珍しいジンです。
当記事では「ビクトリアンバット」の飲み方や製法、ラインナップを紹介しますので、「ビクトリアンバット」がどのようなジンか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
- 都内オーセンティックバーの元バーテンダー
- ウイスキーエキスパート所持
ジンやウイスキーを中心に、これまで300種類以上のお酒を飲んできました。実体験をもとに、「本当に美味しい」と思ったお酒を紹介します。
キングスバリー「ビクトリアンバット」ジンとは
「ビクトリアンバット」はイギリスのボトラーズ会社「キングスバリー」が製造しているロンドン・ドライジンで、ジュニパーベリーが他のジンの2倍使用されているのが特徴です。
代表銘柄 | Kingsbury Victorian Vat Gin |
原産国 | イギリス |
種類 | ロンドン ドライジン |
製造元 | キングスバリー |
輸入元 | ジャパンインポートシステム |
蒸留所 | イギリス・ロンドン市内の蒸留所 |
ボタニカル | ジュニパーベリー ※他は非公開 |
30秒で読める!「ビクトリアンバット」の特徴5つ
「ビクトリアンバット」の特徴を5つ紹介します。
- ジンなのに、液体が淡い琥珀色
- 正真正銘、ロンドン生まれの「ロンドン ドライジン」
- ジンの中では珍しい樽熟成
- ダブルジュニパーによる骨太な味わい
- ボトラーズ会社による製造
「ビクトリアンバット」の味/色
「ビクトリアンバット」は短期間の樽熟成により、ほんのりと色が付いています。
ドライで力強い味わいが特徴で、ボタニカルのキレの良さが堪能できます。
ボタニカルの香りが爽やかで非常に美味しく、ジュニパーベリーが大好きな、生粋のジン好きには特におすすめのジンです。
淡い琥珀色の珍しいジン!
ジュニパー感がたまらない。
「ビクトリアンバット」名前の意味
「ビクトリアンバット(Victorian Vat)」は直訳すると「ビクトリア朝時代の樽」という意味です。
Victorian=ヴィクトリア朝
Vat=バット(熟成樽)
ビクトリア女王が統治していた1830〜1900年頃のイギリス帝国は、産業革命により経済が発展し、絶頂期を迎えていました。
ジンが流行し始めた時期でもあり、当時、ジンは船で世界中に運ばれていたのです。
船には、樽に詰められたジンが貯蔵されていました。
「ビクトリアンバット」は当時の樽貯蔵による保存方法を採用しており、そこからこの名が付きました。
「ビクトリアンバット」の製法
「ビクトリアンバット」の製法とボタニカルについて解説します。
製法
「ビクトリアンバット」は、現在でもロンドン内で蒸留を行う伝統的なロンドン ドライジンです。
ロンドンで蒸留されているジンは、今では希少な存在です。
「ビクトリアンバット」は、19世紀のビクトリア朝時代に流通していたジンの保存方法を採用し蒸留した原酒を樽に貯蔵します。
樽香までは付かないものの液体は淡い琥珀色となり、、わずかな熟成によりドライで力強い風味が生まれます。
ボタニカル
「ビクトリアンバット」のボタニカルの特徴は、多量に使用されているジュニパーベリーにあります。
ダブルジュニパーといわれ、市販されている他のジンよりも、2倍程度のジュニパーベリーが使われているのです。
ジュニパーベリーは、クロアチアかハンガリー産。
その他に使用されているボタニカルは主にヨーロッパ産で、原料によっては北アフリカから運ばれてくるものもあります。
現在のジンはシトラスフレーバーが主流ですが、「ビクトリアンバット」は強烈なジュニパーとスパイシーな香りが特徴で、ドライな個性が際立っています。
製造元はキングスバリー
「ビクトリアンバット」の製造元はイギリスの老舗ボトラーズ会社、キングスバリーです。
キングスバリーは、スコットランドのアバディーンで設立されました。
1989年からシングルモルトのボトリングを開始し、シングルモルトの魅力や個性を引き出すべく、樽の選定やフィルターの調整に強いこだわりを持って製品をリリースしています。
伝説となる数々のシングルモルトを世に送り出し、ボトラーズブランドとしての確固たる地位を確立。
現在は、エジンバラを本拠地としています。
「ビクトリアンバット」の飲み方・おすすめのカクテル
「ビクトリアンバット」は、ジントニックで飲むのがおすすめです。
ジュニパーベリーの力強い風味がくせになる、美味しいジントニックが作れますよ。
- グラスに1/8カットのライムを搾る
- 氷をいれ、「ビクトリアンバット」を45mlほど入れる
- ステアした後、トニックウォーターを注ぐ
- 軽くステアして完成
トニックウォーターとソーダを半々にして作るジンソニックもおすすめで、よりドライな味わいが楽しめます。
「ビクトリアンバット」のラインナップ
「ビクトリアンバット」のラインナップを紹介します。
ビクトリアンバット・ジン
「ビクトリアンバット」のスタンダードの銘柄で、ダブルジュニパーがクセになる、ジン好きにはたまらないロンドン ドライジンです。
他のジンでは物足りない…というジンラバーにおすすめ!
ビクトリアンバット・ジン シングルカスク
2008年に発売された「ビクトリアンバット」のシングルカスクで、ジンの世界では珍しいシングルカスクがつくれるのは、樽熟成を行う「ビクトリアンバット」ならではといえるでしょう。
ラベルには、カスク(樽)ナンバーが記されています。
通常の「ビクトリアンバット」よりも高いアルコール度数でボトリングされていて、さらにドライで力強い味わいが特徴です。
ビクトリアンバット・ジン ビスポークバッチ ザ・マル
ビスポークバッチ ザ・マルは、ジンの個性を作る「ジュニパーベリー」が増量されたジンです。
通常のビクトリアンバットが「ダブルジュニパー」であることとに対し、このビスポークバッチ ザ・マルはなんと「トリプルジュニパー」。
つまり、他メーカーのジンに比べておよそ3倍ものジュニパーベリーが使用されていて、ジンの力強さが際立っています。
ジュニパーベリーの存在感、樽熟成由来のまろやかさと深みがある厚みのある味わいで、ストレートやロックにおすすめです。
ビクトリアンバット・ジン ビスポークバッチ マッカランカスク
スペイサイドのシングルモルトであるマッカランの樽で、長期間の熟成を施したビクトリアンバットです。
「マッカラン」の甘みが感じられるこのユニークなビスポーク・バッチは、専用の識別番号が付いているので、ジンの熟成期間やウイスキー樽の種類など、製造背景のすべてがオープンにされています。
ビクトリアンバット・ジン ビスポークバッチ カリラカスク
アイラモルトのカリラの樽に詰めて、長期間の熟成を施した「ビクトリアンバット」で、「カリラ」のスパイシーさやスモーキーさがはっきりと感じられる、ユニークなジンです。
マッカランカスクと同様、こちらもビスポークバッチで専用の識別番号が付いています。
最後に
キングスバリーの「ビクトリアンバット」を紹介しました。
樽熟成とダブルジュニパーによる骨太な味わいが楽しめる「ビクトリアンバット」は、ぜひ一度は味わってほしいジンです。
ジントニックやジンライムで、「ビクトリアンバット」の船太なジュニパー感を味わってみてください。