「橘花ジン(KIKKA GIN)」は、奈良県の大和蒸溜所でつくられているクラフトジンです。
青々としたボタニカルの香りや味わい、柑橘系の力強い香りが楽しめる上品なジンで、洗練されたボトルデザインも魅力のひとつ。
上質な味わいのクラフトジン・橘花ジンの魅力や歴史、ラインナップを紹介します。
- 都内オーセンティックバーの元バーテンダー
- ウイスキーエキスパート所持
ジンやウイスキーを中心に、これまで300種類以上のお酒を飲んできました。実体験をもとに、「本当に美味しい」と思ったお酒を紹介します。
橘花ジン(KIKKA GIN)とは
橘花ジン(KIKKA GIN)とは油長酒造が立ち上げた「大和蒸溜所」でつくられているクラフトジンです。
油長酒造は奈良県にある酒造で、日本酒「風の森」を製造していることで有名です。
代表銘柄 | 橘花ジン(KIKKA GIN) |
原産国 | 日本/奈良県 |
製造元 | 油長酒造株式会社 |
蒸留所 | 大和蒸溜所 |
代表的なボタニカル | 大和橘・大和当帰 |
30秒で読める!「橘花ジン」の5つの特徴
「橘花ジン」の特徴は次の5つです。
- 奈良固有のボタニカル「大和橘」「大和当帰」を使用
- 大和橘は天然記念物に指定されている貴重な柑橘果実
- 橘花ジンのアルコール度数は59%
- ペーススピリッツには米を使用
- 加水すると白く濁る
橘花ジン(KIKKA GIN)の味/レビュー
BAR WHITE OAKにて、橘花ジンをロックでいただきました。
アルコール度数は59%と高く、ロックで飲むとキリリとした爽快感が味わえます。
徐々にボタニカルの柑橘の香りが口の中に広がり、同時に青々とした緑の香りを強く感じました。
まるで森林の中にいるかのような香りと爽やかさです。
力強い味わいと植物の深い香りがクセになる!
水で薄めていくと、溶け込んでいた大和橘(ボタニカルのひとつ)の油分によって白くにごります。
ボトルデザイン
ボトルは、陶器のようなデザインのガラス瓶です。
手書き風に見えるインクを使用し、インクの濃淡やタレ具合が全てのボトルで違い、一つとして同じ物はないそうです。
橘花ジンのボタニカル
橘花ジンに使用されているボタニカルは「ジュニパーベリー」「大和橘(やまとたちばな)」「大和当帰(やまととうき)」の3種類のみです。
ジンのボタニカルについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
大和橘(やまとたちばな)
大和橘(やまとたちばな、学名:シトラスタチバナ)とは直径3~4センチほどの小さな柑橘果実です。
絶滅危惧種に指定されており、2000年前から存在する日本最古の柑橘植物といわれています。
天然記念物に指定されており、京都御所にも植えられている大和橘は「右近の橘」「左近の桜」と呼ばれています。
実は小さいながら香りは強く、橘花ジンの強い柑橘の香りのもととなっているのが大和橘です。
大和当帰(やまととうき)
大和当帰(やまととうき)とは、セロリのような香り・甘い香りのするセリ科の植物です。
日本書紀にも記載されているほど古くから生薬として利用されており、根の部分が漢方薬に使われます。
橘花ジンには香り高い葉の部分が使用されており、みずみずしい風味が付与されています。
橘花ジンのベーススピリッツ
橘花ジンはボタニカルの個性と魅力を最大限に引き出せるよう、純度の高いライススピリッツを採用。
日本人に馴染みのある米で、口当たりのやわらかいスピリッツを製造しています。
橘花ジンをつくる大和蒸溜所
橘花ジンをつくっているのは奈良にある大和蒸溜所です。
大和蒸溜所を運営しているのは日本酒「風の森」で知られる奈良の「油長酒造(ゆちょうしゅぞう)」で、創業300年を越える老舗の酒造です。
ジンづくりのきっかけとなったのは、13代蔵主・山本長兵衛氏と奈良県桜井市の「ザ・セイリング・バー」渡邉匠氏との出会い。
山本長兵衛氏は渡邉匠氏に後押しされて奈良でジンをつくることを決意し、スピリッツ好きの社員とともに製造を開始したそうです。
引用:https://yamato-distillery.jp/
酒蔵付近の古民家をリニューアルして大和蒸溜所をつくり、2018年に開所式を開催。
2019年に蒸留を開始し、本格的に稼働した後に「橘花KIKKA GIN stainless bottle」をリリースしました。
それから奈良のボタニカルを使ったクラフトジンを製造し続け、限定品を含めた多くのジンを販売しています。
参考:橘花ジンのはじまり | 橘花ジン 奈良が誇る日本のクラフトジン大和蒸溜所
橘花ジンのラインナップ
橘花ジンのラインナップを紹介します。
- 橘花 KIKKA GIN
- 橘花KIKKA GIN 一閃
- 橘花KIKKA GIN 朱華
上記のラインナップの他、以下のような限定品もリリースしています。
- 橘花KIKKA GIN 雫と簪
- 橘花KIKKA GIN 時つ風
- 橘花KIKKA GIN 追想
- 橘花KIKKA GIN 夢現
公式オンラインショップ:PRODUCTS | 橘花ジン 奈良が誇る日本のクラフトジン大和蒸溜所
橘花 KIKKA GIN
- ボタニカル:ジュニパーベリー・大和橘・大和当帰
- 容量:700ml
- アルコール度数:59%
「大和橘」と「大和当帰」を使用した、大和蒸溜所を代表するジン。
大和橘の深く力強い香りと、大和当帰の爽やかでみずみずしい風味が堪能できるクラフトジンです。
洗練されたボトルデザインなので、ギフトにもおすすめ!
芯のしっかりしたジンなので、炭酸等で割っても力強さが失われません。
ロックやストレート、ジンライムにジントニックといったどのような飲み方でも楽しめるでしょう。
橘花KIKKA GIN 一閃
- ボタニカル:ジュニパーベリー・大和橘・大和当帰
- 容量:700ml
- アルコール度数:59%
通常の橘花KIKKA GINと同じボタニカルを使用し、ボタニカル濃度を5倍程度濃縮したスペシャルなジン。
大和橘をそのままかじっているかのような、鮮烈でオイリーな柑橘が感じられるとのこと。
ぜひ試してみたいです!
橘花KIKKA GIN 朱華
- ボタニカル:ジュニパーベリー・大和橘・大和当帰・イチゴ
- 容量:700ml
- アルコール度数:43%
奈良県高市郡明日香村で採れたイチゴ「あすかルビー」を使用したジンで、イチゴが甘く香る橘花ジンです。
朱華(ハネズ)とは日本の伝統色で、黄色がかった薄い赤色のこと。
天武天皇や持統天皇の時代には親王の色とされ、平安時代には禁色になったほど高貴な色が「朱華」です。
最後に
奈良の橘花ジン(KIKKA GIN)は、力強い柑橘の香りと味わいが印象的なジンです。
製造地・奈良固有のの特徴的なボタニカルが使用されており、ユニークな味わいを見事に生み出しています。
大和橘の味わいに興味が湧いたら、ぜひ一度橘花ジンを味わってみてはいかがでしょうか。