ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)は、世界のウイスキーの頂点を決める国際的な品評会のひとつです。
まむ「WWA金賞」「銅賞」といった表記、ありますよね。
このアワード、どのくらいの権威があるものなのだろう?と疑問に思い、調べてまとめてみました。本記事では、WWAの概要や審査方法に加えて、近年で受賞歴のあるジャパニーズウイスキーの銘柄も紹介します。またISCやSFWSC、IWSCといった他コンペも詳しく解説するので、ウイスキー選びの参考にぜひご覧ください。


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ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)とは


ワールド・ウイスキー・アワード(World Whisky Awards、以下WWA)は、世界中のウイスキーの最高峰を決める国際的な品評会です。
主催は、イギリスのウイスキー専門誌「Whisky Magazine」の発行元であるパラグラフ・パブリッシング社。2001年に始まった「ベスト・オブ・ザ・ベスト(2年に1度開催)」が発展し、2007年から毎年開催される現在の形式となりました。
2025年には世界46地域から1700銘柄以上がエントリーした、大規模なウイスキーコンペティションです。
WWAの審査カテゴリー【テイスト部門】


WWAには、「テイスト部門」と「デザイン部門」があり、各部門のカテゴリーごとに審査されます。ここからは、テイスト部門の審査カテゴリーを紹介します。2025年のWWAテイスト部門では、次の22カテゴリーと各スタイルごとに審査が行われました。
| カテゴリー | スタイル |
|---|---|
| シングルモルト/Single Malt | ・12年以下 ・13〜20年 ・21年以上 ・NAS |
| シングルカスク シングルモルト /Single Cask Single Malt | |
| スモールバッチ シングルモルト /Small Batch Single Malt | |
| ブレンデッドモルト/Blended Malt | |
| ブレンデッド/Blended | |
| ブレンデッド リミテッドリリース /Blended Limited Release | |
| アメリカンスタイルウイスキー /American Style Whiskey | |
| コーン/Corn | |
| ライ/Rye | |
| シングルカスク シングルライ /Single Cask Single Rye | |
| ウィート /Wheat | |
| グレーン/Grain | |
| シングルカスク シングルグレーン /Single Cask Single Grain | |
| ポットスチル /Pot Still | |
| カナディアン ブレンデッド /Canadian Blended | |
| バーボン/Bourbon | ・ケンタッキー ・ノンケンタッキー |
| シングルバレル バーボン /Single Barrel Bourbon | |
| スモールバッチ バーボン /Small Batch Bourbon | |
| フィニッシュド バーボン /Finished Bourbon | |
| テネシー ウイスキー /Tennessee Whiskey | ・年数表示あり ・NAS |
| フレーバード ウイスキー /Flavoured Whisky | – |
| ニューメイク&ヤングスピリット /New Make & Young Spirit | ・ニューメイク ・ヤングスピリット ・フレーバードスピリット ・スペシャリティ |
| カテゴリー | スタイル |
|---|---|
| シングルモルト/Single Malt | ・12年以下 ・13〜20年 ・21年以上 ・NAS |
| シングルカスク シングルモルト/Single Cask Single Malt | |
| スモールバッチ シングルモルト/Small Batch Single Malt | |
| ブレンデッドモルト/Blended Malt | |
| ブレンデッド/Blended | |
| ブレンデッド リミテッドリリース/Blended Limited Release | |
| アメリカンスタイルウイスキー/American Style Whiskey | |
| コーン/Corn | |
| ライ/Rye | |
| シングルカスク シングルライ/Single Cask Single Rye | |
| ウィート /Wheat | |
| グレーン/Grain | |
| シングルカスク シングルグレーン/Single Cask Single Grain | |
| ポットスチル /Pot Still | |
| カナディアン ブレンデッド/Canadian Blended | |
| バーボン/Bourbon | ・ケンタッキー ・ノンケンタッキー |
| シングルバレル バーボン/Single Barrel Bourbon | |
| スモールバッチ バーボン/Small Batch Bourbon | |
| フィニッシュド バーボン/Finished Bourbon | |
| テネシー ウイスキー/Tennessee Whiskey | ・年数表示あり ・NAS |
| フレーバード ウイスキー/Flavoured Whisky | – |
| ニューメイク&ヤングスピリット/New Make & Young Spirit | ・ニューメイク ・ヤングスピリット ・フレーバードスピリット ・スペシャリティ |
スタイルのひとつであるNAS(ナス)とは、ノーエイジステートメント(No Age Statement)の略です。
直訳すると年齢不詳という意味で、ラベルに熟成年数を表示していないウイスキーを指します。



「山崎」や「白州」にも、NASがリリースされていますね。
また「ニューメイク」は熟成していない蒸留酒、「ヤングスピリット」は6カ月以上2年未満の熟成期間を経た蒸留酒と定義しています。
WWAの審査方法【テイスト部門】


テイスト部門の審査は、3段階のラウンド制で行われます。
第1・第2ラウンドは国・地域ごとの審査となり、勝ち上がった銘柄が第3ラウンドで競い、世界No.1が決定します。審査はブラインドテイスティングで行われ、ブランド名や価格帯に左右されない公平な評価が行われます。
第1ラウンド
第1ラウンドの審査は出品国・地域ごとに行われ、ウイスキー専門家やジャーナリスト、酒類小売業者などが審査します。
前章で紹介したカテゴリー内にある「NAS」「12年以下」といった各スタイルごとに最も優れた1銘柄が選出されます。選ばれた銘柄は「ウィナー(Winner)」と「金賞(Gold)」の称号を獲得し、次の第2ラウンドに進出します。惜しくも金(Gold)に選ばれなかった銘柄には、順に「銀賞(Silver)」「銅賞(Bronze)」が授与されます。
商品紹介でよく見かける「WWA銀賞」といった受賞歴は、この第1ラウンドの賞を指しています。



第2ラウンド進出のウィナーは、全ウイスキーの上位10%ほど!
第2ラウンド
第2ラウンドも国・地域ごとに審査されます。第1ラウンドで選出されたスタイル・ウィナー(Winner)を試飲し、各カテゴリーごとに1位を選出します。
審査員は第1ラウンドと同じく、ウイスキー専門家やジャーナリスト、酒類小売業者です。カテゴリー内で選出された銘柄は「ベスト(Best)」のアワードを獲得し、最終の第3ラウンドに進みます。



日本地区なら、第2ラウンドで選ばれた銘柄には「ベストジャパニーズ」の称号が与えられます!
第3ラウンド
第3ラウンドは国や地域の枠を超えて、世界No.1が決められます。第2ラウンドで選出された各国・地域の「ベスト」を試飲し、各カテゴリーごとに世界で最も優れた1銘柄が選出されます。
第1・第2ラウンドの審査員に加え、第一線で活躍する蒸留所経営者やウイスキー業界の専門家が審査員に加わります。味わいや全体のバランスから評価され、必ずしも高価なものや熟成年数の長いウイスキーが高評価を得るとは限りません。
世界No.1として選出された銘柄には「ワールドベスト(世界最高賞)」の称号が授与されます。
ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)2025の結果
2025年のワールド・ウイスキー・アワード(WWA)テイスト部門のワールドベストは、下表のとおりです。
| カテゴリー | 受賞製品名 | 国 |
|---|---|---|
| シングルモルト | グレンアラヒー 12年 | スコットランド |
| シングルカスク シングルモルト | ハイコースト ディスティラリーエクスクルーシブ No.11 | スウェーデン |
| スモールバッチ シングルモルト | ストライカー ハークマデイラカスクフィニッシュ | アメリカ |
| ブレンデッドモルト | グレイトドラムス キャンベルタウン | スコットランド |
| ブレンデッド | スリーシップス バーボンカスク | 南アフリカ |
| ブレンデッド リミテッドリリース | イチローズモルト&グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキー2025 | 日本 |
| バーボン | オールドフィッツジェラルド 2024 VVS | アメリカ |
| シングルバレル バーボン | ブラントン ストレート・フロム・ザ・バレル | アメリカ |
| スモールバッチ バーボン | ボルダースピリッツ 2024 カスクストレングスバーボン | アメリカ |
| フィニッシュド バーボン | ウェンゼル シェリー | アメリカ |
| テネシーウイスキー | ジャックダニエル 12年 バッチ02 | アメリカ |
| アメリカンスタイル ウイスキー | ジャックダニエル トリプルマッシュ | アメリカ |
| コーンウイスキー | アイアンルートリパブリック ヒューブリス | アメリカ |
| ライウイスキー | グレーンヘンジ アローウッド | カナダ |
| シングルカスク シングルライ | スタウニング スモークドライ バージンカスク #1359 | デンマーク |
| ウィートウイスキー | チューウイスキー ヘリテージウィート | デンマーク |
| グレーンウイスキー | ファーカレン 15年 | アイルランド |
| シングルカスク シングルグレーン | ウエストファリアン 2012 | ドイツ |
| ポットスチル | レッドブレスト 27年 | アイルランド |
| カナディアンブレンデッド | コリンウッド ダブルバレル | カナダ |
| フレーバードウイスキー | ココアボム チョコレート | アメリカ |
| ニューメイク& ヤングスピリッツ | ヴェ・デ・ディ ペールエールマッシュ | ベトナム |
| カテゴリー | 受賞製品名 | 国 |
|---|---|---|
| シングルモルト | グレンアラヒー 12年 | スコットランド |
| シングルカスク シングルモルト | ハイコースト ディスティラリーエクスクルーシブ No.11 | スウェーデン |
| スモールバッチ シングルモルト | ストライカー ハークマデイラカスクフィニッシュ | アメリカ |
| ブレンデッドモルト | グレイトドラムス キャンベルタウン | スコットランド |
| ブレンデッド | スリーシップス バーボンカスク | 南アフリカ |
| ブレンデッド リミテッドリリース | イチローズモルト&グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキー2025 | 日本 |
| バーボン | オールドフィッツジェラルド 2024 VVS | アメリカ |
| シングルバレル バーボン | ブラントン ストレート・フロム・ザ・バレル | アメリカ |
| スモールバッチ バーボン | ボルダースピリッツ 2024 カスクストレングスバーボン | アメリカ |
| フィニッシュド バーボン | ウェンゼル シェリー | アメリカ |
| テネシーウイスキー | ジャックダニエル 12年 バッチ02 | アメリカ |
| アメリカンスタイルウイスキー | ジャックダニエル トリプルマッシュ | アメリカ |
| コーンウイスキー | アイアンルートリパブリック ヒューブリス | アメリカ |
| ライウイスキー | グレーンヘンジ アローウッド | カナダ |
| シングルカスク シングルライ | スタウニング スモークドライ バージンカスク #1359 | デンマーク |
| ウィートウイスキー | チューウイスキー ヘリテージウィート | デンマーク |
| グレーンウイスキー | ファーカレン 15年 | アイルランド |
| シングルカスク シングルグレーン | ウエストファリアン 2012 | ドイツ |
| ポットスチル | レッドブレスト 27年 | アイルランド |
| カナディアンブレンデッド | コリンウッド ダブルバレル | カナダ |
| フレーバードウイスキー | ココアボム チョコレート | アメリカ |
| ニューメイク& ヤングスピリッツ | ヴェ・デ・ディ ペールエールマッシュ | ベトナム |
日本では唯一「イチローズモルト&グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキー2025」が、ブレンデッド リミテッドカテゴリーで世界一を獲得しました。
「世界一」と認定されたジャパニーズウイスキー


「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」において、日本のウイスキーは多くの世界最高賞(ワールドベスト)を獲得してきました。ここでは近年(2015年〜)に受賞した銘柄を中心に紹介します。
竹鶴ピュアモルト


| 銘柄 | ワールドベスト受賞部門 | 受賞年 |
|---|---|---|
| 竹鶴ピュアモルト | ブレンデッドモルト | 2023年 |
| 竹鶴17年ピュアモルト | ブレンデッドモルト | 2012年 2014年 2015年 2018年 |
| 竹鶴21年ピュアモルト | ブレンデッドモルト | 2007年 2009年 2010年 2011年 |
| 竹鶴25年ピュアモルト | ブレンデッドモルト | 2019年 |
竹鶴ブランドは2007年の「竹鶴ピュアモルト21年」初受賞以来、2023年までに通算10回のワールドベスト・ブレンデッドモルトを獲得しています。同じニッカウヰスキーからは「シングルモルト余市1987」も2008年にワールドベスト・シングルモルトを受賞しています。
イチローズモルト&グレーン


| イチローズモルト&グレーン 銘柄 | ワールドベスト受賞部門 | 受賞年 |
|---|---|---|
| リミテッドエディション | ブレンデッド リミテッドリリース | 2018年 |
| リミテッドエディション2019 | ブレンデッド リミテッドリリース | 2019年 |
| リミテッドエディション2020 | ブレンデッド リミテッドリリース | 2020年 |
| リミテッドエディション2021 | ブレンデッド リミテッドリリース | 2021年 |
| ブレンデッドジャパニーズウイスキー 2025 | ブレンデッド リミテッドリリース | 2025年 |
| イチローズモルト&グレーン 銘柄 | ワールドベスト受賞部門 | 受賞年 |
|---|---|---|
| リミテッドエディション | ブレンデッド リミテッドリリース | 2018年 |
| リミテッドエディション2019 | ブレンデッド リミテッドリリース | 2019年 |
| リミテッドエディション2020 | ブレンデッド リミテッドリリース | 2020年 |
| リミテッドエディション2021 | ブレンデッド リミテッドリリース | 2021年 |
| ブレンデッドジャパニーズウイスキー 2025 | ブレンデッド リミテッドリリース | 2025年 |
イチローズモルト&グレーンは、2018年の受賞から計5回の世界最高賞を獲得しています。2025年の受賞銘柄は、審査員から「蜜蝋、レーズン、コーヒーといった香りの広がり方が素晴らしい。口当たりはクリーンで、マッシュルーム、落ち葉、白檀などの熟成ならではのニュアンスが感じられる。豊かで素晴らしい風味が長く続き、余韻も十分」と高く評価されています。
なお、同じくイチローズモルトでは「秩父ウイスキー祭2017」が2017年のWWAにおいて、ワールドベスト・シングルカスク シングルモルトを受賞しています。
World Whiskies Awards 2025 – Winners
山桜 ブレンデッドモルト ジャパニーズウイスキー 安積 シェリーウッドリザーブ


| 銘柄 | ワールドベスト受賞部門 | 受賞年 |
|---|---|---|
| 山桜 ブレンデッドモルト ジャパニーズウイスキー 安積 シェリーウッドリザーブ | ブレンデッドモルト | 2022年 |
| 銘柄 | ワールドベスト受賞部門 | 受賞年 |
|---|---|---|
| 山桜 ブレンデッドモルト ジャパニーズウイスキー 安積 シェリーウッドリザーブ | ブレンデッドモルト | 2022年 |
安積蒸溜所の原酒と、安積熟成庫で長年保管されていた別のクラフト蒸溜所の樽をバッティングし、シェリーカスクで18カ月後熟させたウイスキー。安積以外の蒸溜所名やブレンド比率は非公表です。
審査員からは「香りはウッディ、シェリー、グレープフルーツ、熟した果実、オーク。味わいはバランスが良く、埃っぽい木の風味、骨太なボディ、ピート、複雑なオールドウイスキーらしい風味、後味にわずかな硫黄。余韻は甘さと苦さが調和」と評価されています。
World Whiskies Awards 2022 – Winners
受賞した「安積 シェリーウッドリザーブ」は現在入手困難で、同じ安積蒸溜所から通常リリースされているブレンデッドモルトには「PURE MALT WHISKY 山桜」があります。こちらは安積蒸溜所の原酒と輸入原酒が使用されており、5年以上熟成モルトとシェリー樽熟成モルト、ピーテッドモルトがブレンドされた程よいスモーキーフレーバーのウイスキーです。
厚岸ブレンデッドウイスキー 処暑


| 銘柄 | ワールドベスト受賞部門 | 受賞年 |
|---|---|---|
| 厚岸 ブレンデッドウイスキー 処暑 | ブレンデッド | 2022年 |
厚岸ウイスキー「二十四節気シリーズ」の第四弾で、厚岸モルトと、厚岸の地で一から熟成させた輸入グレーンのブレンドです。
審査員からは「香りはスモーキーでウッディ、バランスが取れている。口に含むと樽香と厚みがあり、ピート、モルト、果樹園の果実、シェリー樽のドライフルーツとアーモンドの特徴がある。ミディアムフィニッシュ」と評価されました。
World Whiskies Awards 2022 – Winners
キリン富士御殿場蒸溜所


| 銘柄 | ワールドベスト 受賞部門 | 受賞年 |
|---|---|---|
| 富士御殿場蒸溜所シングルグレーンウイスキー AGED 25 YEARS SMALL BATCH | グレーン ウイスキー | 2016年 2017年 2019年 |
| キリン シングルグレーンウイスキー富士 30年 | グレーン ウイスキー | 2020年 |
| 銘柄 | ワールドベスト受賞部門 | 受賞年 |
|---|---|---|
| 富士御殿場蒸溜所シングルグレーンウイスキー AGED 25 YEARS SMALL BATCH | グレーンウイスキー | 2016年 2017年 2019年 |
| キリン シングルグレーンウイスキー富士 30年 | グレーンウイスキー | 2020年 |
キリンの富士御殿場蒸溜所からは、2銘柄がワールドベストを獲得しています。
▼シングルグレーンウイスキー AGED 25 YEARS SMALL BATCH
ケトルというユニークなバッチ式蒸留器でつくられる、ミディアムタイプのグレーン原酒が使用されています。その原酒を25年以上もの長期で熟成させており、完熟バナナのようなフルーツ・樽香・黒蜜やメープルシロップのような甘い香味が楽しめます。
▼キリン シングルグレーンウイスキー 富士30年
ケトルで仕込まれた蒸留液を30年以上熟成させた贅沢なウイスキーです。グレーンウイスキーで30年熟成の商品化は非常に珍しく、希少で貴重なウイスキーといえるでしょう。
熟成30年の間に、少なく見積もっても液量の約80%が蒸発しているそうです。原酒の質・量ともに大きく変化する長期熟成の原酒を、樽移動や詰替えの調整を施しながら手間暇かけて商品化されています。
World Whiskies Awards 2020 – Winners
現在はどちらの銘柄も入手困難ですが、同ブランドでノンエイジの「シングルグレーンウイスキー富士」は入手可能です。ラズベリー、オレンジマーマレード、パウンドケーキなどの複層的な香りが楽しめる華やかなウイスキーです。
白州25年


| 銘柄 | ワールドベスト受賞部門 | 受賞年 |
|---|---|---|
| 白州25年 | シングルモルト | 2018年 2020年 |
酒齢25年を超える貴重な白州モルト原酒の中から、ウッディーな原酒、スモーキーな原酒、スパニッシュオーク樽の原酒を厳選し、じっくりと後熟させた贅沢な白州です。
長期熟成らしい円熟でリッチな味わい、スモーキーとフルーティーのバランスの良さ、長い余韻が味わえるシングルモルトです。
響


| 銘柄 | ワールドベスト受賞部門 | 受賞年 |
|---|---|---|
| 響21年 | ブレンデッド | 2010年 2011年 2013年 2016年 2017年 2019年 |
| 響30年 | ブレンデッド | 2007年 2008年 |
響21年は、酒齢21年以上のモルト原酒、グレーン原酒がブレンドされた贅沢なウイスキーです。響30年は厳選された酒齢30年以上のモルト原酒が含まれた、年間数千本しかつくれない貴重で希少な品です。
WWA2019では、審査員は響21年について「バランスが良い傑作で、ボディはやや軽いが複雑さがある。熟成したウイスキーに期待されるシェリー、アカシア、カカオ、皮革、果実の風味」と評価しています。
World Whiskies Awards 2019 – Winners
WWAと他のウイスキー品評会の違い
WWA以外にも権威あるウイスキーのコンペティションは複数存在します。おおよその出品数や審査方法といった基本情報を下表にまとめました。
| コンペティション名/開催国 | 出品数 | 審査方法/審査員 |
|---|---|---|
| ワールド・ウイスキー・アワード (WWA/イギリス) | 1,700 | ・相対評価(3段階のラウンド制) ・審査員/業界専門家、酒類小売業者、蒸留所経営者、ジャーナリスト他 |
| インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ (ISC/イギリス) | 2,200 | ・絶対評価 ・審査員/ブレンダーやマスターディスティラーなどのプロの造り手 |
| インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション (IWSC/イギリス) | 12,000 | ・絶対評価(スコア方式でランク付け) ・審査員/業界専門家、ブレンダー、バイヤー他 |
| サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション (SFWSC/アメリカ) | 5,500 | ・絶対評価 ・審査員/バーテンダー、流通業者、ジャーナリスト他 |
| 東京ウイスキー&スピリッツコンペティション (TWSC/日本) | 800 | ・1次審査が絶対評価、2次審査が相対評価 ・審査員/日本の業界専門家、バーテンダー、評論家 |
| コンペティション名/開催国 | 出品数 | 審査方法/審査員 |
|---|---|---|
| ワールド・ウイスキー・アワード (WWA/イギリス) | 1,700 | ・相対評価(3段階のラウンド制) ・審査員/業界専門家、酒類小売業者、蒸留所経営者、ジャーナリスト他 |
| インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ (ISC/イギリス) | 2,200 | ・絶対評価 ・審査員/ブレンダーやマスターディスティラーなどのプロの造り手 |
| インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション (IWSC/イギリス) | 12,000 | ・絶対評価(スコア方式でランク付け) ・審査員/業界専門家、ブレンダー、バイヤー他 |
| サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション (SFWSC/アメリカ) | 5,500 | ・絶対評価 ・審査員/バーテンダー、流通業者、ジャーナリスト他 |
| 東京ウイスキー&スピリッツコンペティション (TWSC/日本) | 800 | ・1次審査が絶対評価、2次審査が相対評価 ・審査員/日本の業界専門家、バーテンダー、評論家 |
出品数は、ウイスキー以外の部門も含む全部門の合計です。そのため、審査対象が多岐にわたるIWSCは出品数が飛びぬけて多くなっています。
もっとも注目したい箇所は審査方法です。WWAが他銘柄と比較して評価する「相対評価」であるのに対し、他コンぺは各製品を個別に審査する「絶対評価」です。絶対評価は一定の品質基準を満たしていればアワードを獲得でき、受賞率は相対評価よりも高い傾向にあります。
それでは各コンペを解説していきます。
インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)
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インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(International Spirits Challenge/ISC)は、1995年に創設された蒸留酒の品評会で、イギリスの酒類専門出版社「ドリンクス・インターナショナル」が主催しています。毎年開催され、全部門において世界70カ国以上から2,000品以上のスピリッツが出品される大規模なコンペティションです。
製品そのものを評価する「テイスティングアワード(Tasting Awards)」では、アメリカンウイスキー、ジャパニーズウイスキー、スコッチウイスキー、ジン、ラム、テキーラなど29のメインカテゴリーに分かれて審査されます。
ウイスキーの審査員は、世界の著名な蒸留所のマスターブレンダーやディスティラリーマネージャーを含むプロフェッショナルで構成されています。



審査員はプロの造り手が中心!
審査は23日間にわたる厳格なブラインドテイスティングで行われ、「香り」「外観」「味」「余韻」の要素で評価されます。
テイスティングアワードの賞体系は「トロフィー(Trophy/カテゴリー最高賞)」「ダブルゴールド(Double Gold)」「金賞(Gold)」「銀賞(Silver)」「銅賞(Bronze)」の5段階です。2024年には、Japanese Whiskyのカテゴリーから90アイテムが受賞しました。
さらに、全部門の「トロフィー」の中から傑出した製品には、「シュプリーム チャンピオン スピリット(Supreme Champion Spirits)」が授与されます。各カテゴリーのトロフィーのみを再度テイスティングし、最も優れた1品のみに授与される、全製品の頂点に立つ最高賞です。
過去にシュプリーム チャンピオン スピリットを受賞したジャパニーズウイスキーには、「山崎12年(ISC2024)」「山崎25年(ISC2023)」「響21年(ISC2022)」があります。
International Spirits Challenge 2025 – ENTER NOW
インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(IWSC)


インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(International Wine & Spirit Competition/IWSC)は1969年創設の長い歴史を持つ国際品評会です。イギリス・ロンドンが運営拠点で、世界90カ国以上から年間12,000品以上のエントリー製品を審査しています。
審査プロセスは厳格で、1日に審査するサンプル数を最大65点に制限し、審査員の味覚疲労を防止する措置が取られています。各スピリッツは審査員全員で同時に審査され、グループディスカッションも行われます。審査員は30カ国以上から集められた多様な専門家で、マスターディスティラー、マスターブレンダー、バイヤー、コミュニケーターなど業界の第一線で活躍する人材が含まれています。
評価は絶対評価のスコア方式で次のようにランク付けされ、各賞の授与数に制限はありません。
- 98~100点:最高金賞(Gold Outstanding)
- 95~97点:金賞(Gold)
- 90~94点:銀賞 (Silver)
- 85~89点:銅賞 (Bronze)
各カテゴリーで最高得点を獲得した製品には、トロフィー(Trophy)が与えられます。2022年には、長濱蒸溜所の「シングルモルト長濱 ボルドーレッドワインカスク #1564」が、98点で最高金賞を獲得し、アジア圏内の最高評価となる「Asian Whiskey Trophy 2022」を受賞しています。
International Wine & Spirit Competition
サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)


2000年に創設されたサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(San Francisco World Spirits Competition/SFWSC)は、毎年米国サンフランシスコで開催される大規模なコンペティションです。
「ラム」「テキーラ」「ジャパニーズウイスキー」「ジャパニーズジン」など数多くの部門があり、2024年には世界中から5,500品以上のエントリーがありました。審査員はバーテンダー、ジャーナリスト、小売業者、流通関係者などの業界関係者、著名なカクテルバーのオーナーやフォーブス誌の寄稿者などが含まれています。
賞体系は「最優秀金賞(Double Gold)」「金賞(Gold)」「銀賞(Silver)」「銅賞(Bronze)」の4段階で、「最優秀金賞」は審査員全員が金賞の評価をした場合に与えられます。
審査方法は絶対評価で個別に審査され、一定の品質基準を満たした製品には品質に応じてメダルが授与されます。相対評価のWWAよりも受賞率は高く、2024年のジャパニーズウイスキー部門では38銘柄が受賞しました。
2024年の大会では、ジャパニーズウイスキー部門において「戸河内9年 ジャパニーズウイスキー」をはじめとする5つの銘柄が最優秀金賞を獲得しています。
Results – The Tasting Alliance
東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)
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2019年に初開催された東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)は、ウイスキー文化研究所代表の土屋守氏が実行委員長を務める、日本のスピリッツコンペティションです。2025年の開催では洋酒部門と焼酎部門を合わせて829アイテムが出品されました。
審査部門は洋酒部門、焼酎部門、ジャパングランプリの3つ。ジャパングランプリとは、ジャパニーズクラフトウイスキー・ニューメイク・ニューボーンにしぼったカテゴリーです。
審査員は総勢約300名ほどで、バーテンダーやプレス関係者、酒類販売業者や酒類資格を持つ愛好家などで構成されています。審査は2段階で行われ、一次審査ではブラインドテイスティングで「アロマ」「フレーバー」「総合(バランス・フィニッシュ)」の3つの観点から100点満点で評価。得点に応じて「銅賞」「銀賞」が決定され、「金賞」「最高金賞」候補が2次審査に送られます。
1次審査では「金賞」「最高金賞」「BEST OF THE BEST」が決定されます。「BEST OF THE BEST」は特別賞で、国・地域を問わずカテゴリーの中で最高得点を獲得したアイテムのみに与えられる賞です。
そのほか、TWSCには「ベストカテゴリー賞」「コストパフォーマンス賞」「ベストディスティラリー賞」「イノベーション賞」「SDGs賞」「ニューカマー賞」「ツーリズム賞」「ベストデザインディスティラリー賞」といった様々な観点から評価する特別賞が設定されています。
TWSC2025では829アイテムの出品中、756アイテムが入賞。洋酒部門では639アイテムの出品に対し、最高金賞31本、金賞144本、銀賞187本、銅賞215本で90%の銘柄が何らかの賞を受賞しています。



受賞率はかなり高め。
東京ウイスキー&スピリッツコンペティション|TWSC2025受賞結果
最後に


ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)について解説しました。WWAは3段階の審査で世界一が決まる品評会で、最優秀の「ワールドベスト」を獲得したウイスキーは世界的に見ても高品質といえるでしょう。
その他の各コンペティションでは審査カテゴリや審査員、評価方法が大きく異なります。また絶対評価と相対評価では受賞率にも差が見られます。コンペティションの特徴が分かれば、「金賞」「銀賞」などの評価の意味を正確に理解できるでしょう。
ただし、アワードを獲得しているウイスキーでも自分の好みに合うとは限りません。最終的な判断は自分の味覚です。



最終的に、自分の舌に合えばヨシ!
本記事を参考に、ぜひ自分にぴったりのウイスキーを探してみてください。

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