【レビュー】ハンキーバニスターとは?味やキーモルト、歴史を解説!

【レビュー】ハンキーバニスターとは?味やキーモルト、歴史を解説!

ハンキーバニスターはスコットランドの伝統的なブレンデッドウイスキーで、リッチな味わいが楽しめる銘柄です。

まむ

リーズナブルで、試しに買ったら大当たり!

キーモルトは5つのハイランドモルトで、ハチミツやバニラの風味に軽やかな飲み口が特徴。
「高コスパのデイリーウイスキーを探している」「飲みやすいスコッチが欲しい」という方におすすめの一本です。

本記事では、ハンキーバニスターのレビューと特徴から、創業から現在までのあゆみを解説します。
ウイスキー選びの参考に、ぜひご活用ください。

この記事を書いた人
まむ
  • 都内オーセンティックバーの元バーテンダー
  • ウイスキーエキスパート所持

ジンやウイスキーを中心に、これまで300種類以上のお酒を飲んできました。実体験をもとに、「本当に美味しい」と思ったお酒を紹介します。

目次

ハンキーバニスターとは

ハンキーバニスター オリジナル

ハンキーバニスターは伝統的なブレンデッドスコッチで、スコットランドで蒸留・ブレンド・瓶詰めされています。
タイ・ビバレッジの子会社である、インバーハウス・ディスティラーズ社が製造元です。

代表銘柄Hankey Bannister Original
原産国/種類スコットランド/ブレンデッド
製造元インバーハウス・ディスティラーズ社
キーモルト・バルブレア
・オールドプルトニー
・アンノック
・スペイバーン
・バルミニック(バルメナック)

30秒で読める!ハンキーバニスターの5つの特徴

「ハンキーバニスターのユニークポイントだけ知りたい」という方のために、30秒で読める5つの特徴を紹介します。

  1. リリースから120年以上の歴史を持つ伝統あるスコッチ
  2. 名前の由来は創業者2人の名
  3. 5つのハイランドモルトとローランドのグレーンウイスキーをブレンド
  4. 英国王室御用達の称号
  5. 国際品評会のISC・IWSC・WWAにおける数々の受賞歴

ハンキーバニスターの味/レビュー

ハンキーバニスターとテイスティンググラス

グラスに注いで鼻を近づけると、潮とハチミツ。塩っけのある香り。
時間がたつとモルティさが強まり、ビスケットのような香りも楽しめます。

ストレートで飲むと、ハチミツやバニラの甘い風味、カカオのニュアンス。その中にスパイシーさも感じられました。

まむ

スイートフレーバーの中にある、かすかな塩っけがGOOD!

ハチミツ・バニラは口に含むとスッと弱まり、余韻にはシナモンやほのかなメープルシロップが残ります。
軽やかな飲み心地のスコッチでした。

飲み方はハイボールがおすすめ

ハイボール

ハンキーバニスターのおすすめの飲み方はハイボールです。
炭酸で割るとスイートフレーバーがおさえられ、ドライで爽快なハイボールとなります。

まむ

食中酒にぴったり!

ドライな味わいの中にもメープルシロップやハチミツのニュアンスは残っており、飲みやすさは抜群。
苦み・甘みのバランスが良く、何杯でも飲めるような味わいです。

もちろん、ストレートやロックでも十分楽しめますよ。

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ハンキーバニスターのキーモルト

ハンキーバニスターのキーモルトは、インバーハウス・ディスティラーズ社が所有する5つの蒸留所のモルトウイスキーです。

  • バルブレア
  • バルメナック
  • アンノック
  • オールドプルトニー
  • スペイバーン

ハンキーバニスターはこの5つのウイスキーに、ローランド産のグレーンウイスキーをブレンドしてつくられています。
個性的な5つのキーモルトについて、それぞれ解説します。

オールドプルトニー(Old Pulteney)

オールドプルトニーは、スコットランド北部の漁港の町ウィック(Wick)にあるプルトニー蒸留所で製造されています。
創業は1826年で、1955年にインバーハウス社に買収されました。

蒸留所のポットスチルはボール型で、上部はT字ネックのユニークな形をしています。
つくられるウイスキーは力強い酒質と海風のような潮の香りを持っており、海のモルトといわれています。

蒸留所の代表銘柄はオフィシャルボトルのオールドプルトニー12年で、厳選された2ndフィルのバーボン樽で熟成させています。
リッチで華やか、シトラスの香りにダークキャラメルの甘さ、かすかな潮っぽさが特徴のウイスキーです。

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バルブレア(Balblair)

バルブレアを製造しているのは同名のバルブレア蒸留所で、1790年創業の蒸留所は非常に長い歴史を持っています。
蒸留所のあるロス州のエダートン村は厚いピート層に覆われており、良質な水にも恵まれたウイスキーづくりに適した土地です。

バルブレア蒸留所のポットスチルは、首の短いずんぐりとしたストレートヘッド型で、仕込み水はピート色の濃い軟水
ドライで、ハイランドらしい華やかな風味をもつウイスキーがつくられます。

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アンノック(AnCnoc)

アンノックは、ハイランドのノック村(Knock)にあるノックドゥー(Knockdhu)蒸留所でつくられています。
1894年の創業以来、100年近くDLC社(現ディアジオの前身)の生産拠点として稼働してきました。

その後、一度の閉鎖を経て2001年にタイ・ビバレッジの傘下となり、現在はライトでスムースな味わいのオフィシャルボトルが発売されています。

スペイバーン(Speyburn)

スペイバーンは1897年設立のスペイバーン蒸留所でつくられており、蒸留所はスペイサイドのローゼス郊外に位置しています。

ポットスチルはストレートヘッド型で、原酒はソフトでマイルドな味わいが特徴。
オフィシャルボのスペイバーン10年は、なめらかなでバランスが良く、非常に飲みやすいウイスキーです。

バルミニック(Balmenach)

バルミニック(バルメナック)は、スペイサイドに位置するバルミニック蒸留所でつくられています。

1824年の設立以来、創業一族であるマクレガー家が経営していましたが、1925年にDCL社が買収します。
その後、UD社からインバーハウス社に売却されました。

1991年のUD傘下時代に「花と動物シリーズ」として初めてシングルモルトが発売されました。
現在も、過去に発売されたオフィシャルボトルボトラーズブランドのシングルモルトが入手可能です。

ハンキーバニスターの歴史

ロンドン

ハンキーバニスターの歴史を、次のトピックに沿って紹介します。

  • 2人の創業者(1757年~)
  • ウイスキー誕生と王室御用達(1890年代~)
  • 品評会での評価(1988年~現在)

2人の創業者(1757年~)

アデルフィテラスのイメージ

ハンキーバニスターの歴史は、1757年にロンドンのウエストエンド地区に遡ります。

ボーモント・ハンキー(Beaumont Hankey)とヒュー・バニスター(Hugh Bannister)という2人の実業家が、ワイン・スピリッツ商を始めたのがその始まりでした。

まむ

2人の創業者の名を組み合わせて「ハンキーバニスター」

1757年、彼らはロンドンのウエストエンドにあるジョンズ・ストリートに、ハンキーバニスター社(Hankey Bannister & Co.)を立ち上げます。
創業年の「1757」という数字は、ハンキーバニスターのラベルにしっかりと記載されています。

ハンキーバニスター社の事業は順調に拡大し、1785年には、貯蔵庫をロンドンのアデルフィ・テラス下のアーチ構造の施設に移転しています。
このアデルフィ・テラスは、著名な建築家ロバート・アダムによって設計された当時最先端の建築であり、政財界の要人たちが集まる格式高い場所として知られていました。
そんな一等地に貯蔵庫を構えられたことは、同社がロンドンで確固たる信頼と実績を築いていた証といえます。

ウイスキー誕生と王室御用達(1890年代~)

ジョージ5世
ジョージ5世

ハンキーバニスター社がウイスキーの販売を開始したのは、創業から130年以上が経過した1890年代のこと。
ブランド名には社名「ハンキーバニスター」を冠し、主に上流階級をターゲットとした製品として展開されました。

1913年には、ロンドン中心部のセント・ジェームス・ストリート22番地に拠点を移転。
王室をはじめとする上流階級の顧客への供給を続けながら、ウエストエンドにある複数の企業を吸収・合併し、さらなる成長を遂げます。

その後、1915年にサックヴィル・ストリート32番地へ移転。
1920年代に発売されたアンティークボトルには、この住所がラベルに記されています。

1922年、創業者ボーモント・ハンキーの息子であるダグラス・ハンキーの死去後、同社は老舗酒類商社サッコーネ・アンド・スピード(Saccone & Speed)社に買収されました。

ハンキーバニスターのウイスキーは、上流階級のみならず王室からも高く評価され、その品質と品格の高さが認められました。
ジョージ5世およびジョージ6世の治世に、ハンキーバニスターは王室御用達(Royal Warrant)を授与されています。

品評会での評価(1988年~現在)

並べられたウイスキー

1988年、ハンキーバニスターはインバーハウス・ディスティラーズ社に買収されました。
新たな所有者のもと、2009年以降は世界的な酒類コンペティションで数々の栄誉を獲得しています。

とくに上位を獲得した、近年の代表的な賞を紹介します。

インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(IWSC)
・ハンキーバニスターオリジナル:最高金賞(2014年)、金賞(2021年)
・ハンキーバニスター ヘリテージブレンド:最高金賞(2022年)
・ハンキーバニスター12年:最高金賞(2022年)

ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)
・ハンキーバニスター 21年 パートナーズリザーブ バッチ3:カテゴリウイナー(2023年)
・ハンキーバニスター 40年:ブレンデッドスコッチ部門 ワールドベスト(2009年)

インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)
・ハンキーバニスター ヘリテージブレンド:金賞(2022年)
・ハンキーバニスター 12年:金賞(2022年)
・ハンキーバニスター 21年:金賞(2023年)
・ハンキーバニスター 40年:トロフィー(2012年)

ハンキーバニスターのラインナップ

ハンキーバニスターが展開する、以下のラインナップを紹介します。

  • ハンキーバニスター オリジナル
  • ハンキーバニスター ヘリテージブレンド
  • ハンキーバニスター 12年 レガシー
  • ハンキーバニスター 21年 パートナーズリザーブ

なお、上記の銘柄以外にも「8年特級」「15年特級」をはじめとする、さまざまなハンキーバニスターが日本で流通していました。

ハンキーバニスター オリジナル

ハンキーバニスター オリジナル

ハンキーバニスターのスタンダードボトルで、ハチミツや柑橘系の爽やかな香りと、バニラの甘みと軽やかな後味が特徴です。
ハイボールでもロックでも楽しめる上にリーズナブルで、デイリーウイスキーとしておすすめです。

国際的な評価は高く、IWSC2014においては最高金賞(Gold Outstanding)を獲得しています。
近年では、ISC2021において金賞を受賞しています。

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ハンキーバニスター ヘリテージブレンド

ハンキーバニスター ヘリテージブレンド

1924年に発売されていたハンキーバニスターの復刻版で、当時の特徴的な風味を再現しています。
ハチミツ、バタースコッチ、ほのかなスモークの香りが楽しめます。

近年ではISC2022で金賞、IWSC2022において最高金賞(Gold Outstanding)を獲得しています。

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ハンキーバニスター 12年

ハンキーバニスター 12年

バーボン樽で12年間熟成させたハンキーバニスターで、甘く柔らかなバニラとスモーキーな風味が特徴です。
ISC2022において金賞、IWSC2022においては最高金賞を獲得しています。

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ハンキーバニスター 21年 パートナーズリザーブ

ハンキーバニスター 21年

希少な長期熟成ウイスキーがブレンドされたハンキーバニスターです。

シェリー樽やバーボン樽の中から厳選された原酒で構成されており、ドライフルーツやバニラ、オークの香り、リッチなダークチョコレートの風味が味わえる贅沢なウイスキーです。

ISC2022・2023において金賞獲得。
WWA2023では、ハンキーバニスター 21年バッチ3が限定販売のブレンデット部門で金賞とカテゴリウィナーを受賞しています。

発売時期やバッチによってボトルの形状は異なり、現在は日本で入手するのは難しいようです。

最後に

ウイスキーロック

ハンキーバニスターは、1757年の創業から260年以上の歴史を持つ、伝統あるブレンデッドスコッチウイスキーです。

ハイランドモルト由来のハチミツやバニラの甘い風味と、軽やかで飲みやすい口当たりが魅力で、ハイボールにすれば爽快な飲み口が楽しめます。

デイリーウイスキーを探している方、ハイボールがお好きな方は、ぜひ一度ぜひハンキーバニスターを試してみてください。

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