ブラックブッシュはモルト比率の高いブレンデッド|味わいと特徴を解説!

ブラックブッシュは高モルト比率のブレンデッド|味わいと特徴を解説!

ブラックブッシュとは、北アイルランドのブッシュミルズが手がけるブレンデッドウイスキーです。モルト原酒の比率は80%という高比率で、シェリー樽由来の豊かな果実味が楽しめます。

まむ

飲みやすいけど濃厚!リッチ好きの方におすすめ。

ブラックブッシュはリーズナブルで入手しやすく、毎日の晩酌にもおすすめです。当記事では実際に飲んだ感想やウイスキーの製法、誕生の歴史やブッシュミルズの他のラインナップを解説します。

この記事を書いた人
まむ
  • 都内オーセンティックバーの元バーテンダー
  • ウイスキーエキスパート所持

300種類以上のお酒を飲んできた実体験を基に「本当に美味しい!」と感じたお酒を紹介しています。

当ブログでは、国内外の公式サイトや関連書籍といった信頼性の高い情報に基づいて記事を作成しています。

目次

ブラックブッシュとは

ブラックブッシュのボトルと箱

ブラックブッシュはアイリッシュウイスキーで、北アイルランドのブッシュミルズ蒸留所で製造されています。ブラックブッシュの他にも、フラッグシップであるブッシュミルズやシングルモルトもリリースしています。

◆ブッシュミルズ基本情報◆

代表銘柄Bushmills
原産国北アイルランド
種類アイリッシュウイスキー
/ブレンデッド
蒸留所ブッシュミルズ蒸留所
所有者プロキシモ・スピリッツ社
国内販売アサヒビール

所有者のプロキシモ・スピリッツ社は様々なスピリッツブランドを展開するアメリカの会社で、ブッシュミルズの他にクエルボ(テキーラ)、クラーケン(ラム)等を扱っています。

30秒で読める!ブッシュミルズの5つの特徴

「ブッシュミルズのユニークポイントだけ知りたい」という方のために、30秒で読める5つの特徴を紹介します。

  • 1608年の世界最古の蒸留ライセンスに由来する蒸留所
  • 1970年代、衰退したアイリッシュウイスキー業界の復活をけん引したブランド
  • 原料の穀物処理からボトリングまで蒸留所内で一貫管理する「grain to glass」の哲学
  • アイリッシュ伝統の3回蒸留とノンピート麦芽によるスムースな味わい
  • ブラックブッシュはモルト原酒比率が80%という高配合のブレンデッド

ブラックブッシュの味/レビュー

ブラックブッシュは、オロロソシェリー樽とバーボン樽で最長7年熟成させたモルト原酒が使用されています。モルト原酒の比率は80%と高く、濃厚な味わいが特徴です。

まずはストレートで。
なめらかな口当たりと黒糖のような深い甘み。スパイスを効かせたフルーツケーキのような味わい。少しの土っぽさ。余韻までバランス良し。

まむ

オロロソシェリーが利いていてリッチ。熟したフルーツ、ドライフルーツ。

ロックにすると冷えて甘みが際立ちます。ストレートよりもすっきりしてジューシー、ほんのりカカオ。ロックでも十分楽しめます。
ハイボールはすっきりした甘さで飲みやすく、食中酒におすすめです。炭酸が多いと酸味や渋みが出るので、気持ち濃いめにつくってみてください。

まむ

スイスイ飲めちゃう。デイリーウイスキーにおすすめ!

ブラックブッシュをつくる蒸留所の歴史

アイルランド島の北端にあるアントリム州に位置するブッシュミルズ蒸留所は、世界で最も古い部類の蒸留所といわれています。ここからは「世界最古」といわれる理由と、蒸留所誕生後の衰退と復活の歴史を紹介します。

ブッシュミルズ蒸留所は世界最古?

ブッシュミルズ蒸留所
Bushmills Whiskey Distillery Photo by Supermac1961
CC BY 2.0Wikimedia Commons

ブッシュミルズの始まりは1608年。この年、当時のイングランド王ジェームズ1世が、アントリム州の領主であるサー・トーマス・フィリップス(Sir Thomas Phillips)に、蒸留を行う許可を与えました。これは、現存する記録の中で最も古い蒸留ライセンスとされています。
このライセンスにちなんで、アントリム州にあるブッシュミルズ蒸留所は「1608年」を創業年として掲げています。

しかしながら、ブッシュミルズ蒸留所(Old Bushmills Distillery)の正式な登記記録は1784年(ただし、1784年以前にも密造があったという伝承はある)。1608年はあくまで領主に蒸留許可が与えられた年であり、厳密にいえばブッシュミルズは世界最古の蒸留免許が与えられた土地にある蒸留所となります。

まむ

ウイスキーのボトル下部にはしっかりと「1608」が刻まれています。うたい文句も「世界最古」。

ブラックブッシュのボトル下部

なお、ブッシュミルズ蒸留所をつくったのは、ヒュー・アンダーソン(Hugh Anderson)という人物です。ブッシュミルズという名前は、蒸留所の近くを流れるブッシュ川(River Bush)沿いに点在していた工場(mills)にちなんで付けられました。

1885年には大規模な火災が起こり建物が焼失しますが、蒸留所は速やかに再建されます。当時はアメリカを中心にアイリッシュウイスキー需要が高まっており、ブッシュミルズもこれに応えるべく、生産を拡大していきます。

アイリッシュウイスキーの衰退と復活

1920年代に入ると、アイリッシュウイスキー産業は急速に衰退します。アイルランドの独立戦争やアメリカ禁酒法、スコッチの台頭といった影響で需要が激減し、アイルランドの蒸留所が次々と閉鎖に追い込まれました。かつて数百あった蒸留所が、わずか数カ所までに減少したといいます。
ブッシュミルズも厳しい状況ではありましたが、不況は永遠に続かないと信じて供給を維持。終結を見越した戦略で、禁酒法廃止後は速やかに再輸出を行い、ブランドを存続させました。

一方、アイリッシュウイスキー全体の低迷は深刻で、業界の再編がなされます。1970年代には残った蒸留所が統廃合され、アイリッシュ・ディスティラーズが発足。生産拠点として残されたのは、ブッシュミルズと新設された新ミドルトン蒸留所のみとなりました。ブッシュミルズの生産体制は維持され、市場に供給できる数少ないアイリッシュウイスキーブランドとなりました。

1980年代後半からアイリッシュウイスキーの輸入量が上向きになると業界の再成長が始まります。ブッシュミルズは主要な輸出ブランドのひとつとして、国際市場での存在感を確立しました。

1980年代後半からはペルノ・リカールがブランドを所有し、2000年代に入ってからはディアジオに所有が移ります。その後、ディアジオは2014年頃に現在の所有者であるプロキシモ・スピリッツ社にブッシュミルズを売却しました。

ブラックブッシュの製法

ブラックブッシュの製法と、あわせてアイリッシュウイスキーについて解説します。

そもそもアイリッシュウイスキーとは?

アイリッシュウイスキー(Irish Whiskey)とは、アイルランド島(北アイルランドを含む)でつくられるウイスキーの総称で、次のように定義されています。

  • 穀物類を原料とする
  • 麦芽の酵素で糖化し、酵母で発酵を行う
  • アイルランド共和国、または北アイルランドにおいて、アルコール度数94.8%未満で蒸留する
  • 木製の樽に詰める
  • アイルランド共和国、または北アイルランドの倉庫で3年以上熟成させる(樽を移動した場合は、両地域での累積熟成年数が3年以上)

上記の条件を満たしたアイリッシュウイスキーは、製法によって4種類に分けられます。

▼アイリッシュウイスキーの分類

種類原料
ポットスチルウイスキー大麦麦芽(モルト)+未発芽の大麦(オート麦、小麦、ライ麦が加わる場合もある)・アイリッシュ特有のスタイル
・単式蒸留器で3回(2回)蒸留・モルトはノンピート
・オイリー、ライトボディ
モルトウイスキー大麦麦芽(モルト)100%・単式蒸留器で3回(2回)蒸留
グレーンウイスキー大麦麦芽(モルト) + トウモロコシや未発芽の大麦などの穀類・連続式蒸留機で蒸留
ブレンデッドウイスキー上記のウイスキーをブレンド・ポットスチル+グレーン
・モルト+グレーン
種類原料
ポットスチルウイスキー大麦麦芽(モルト)+未発芽の大麦(オート麦、小麦、ライ麦が加わる場合もある)・アイリッシュ特有のスタイル

・単式蒸留器で3回(2回)蒸留・モルトはノンピート

・オイリー、ライトボディ
モルトウイスキー大麦麦芽(モルト)100%・単式蒸留器で3回(2回)蒸留
グレーンウイスキー大麦麦芽(モルト) + トウモロコシや未発芽の大麦などの穀類・連続式蒸留機で蒸留
ブレンデッドウイスキー上記のウイスキーをブレンド・ポットスチル+グレーン

・モルト+グレーン

ポットスチルウイスキーはアイリッシュ特有の伝統的なスタイルで、3回蒸留が主流です。なめらかな口当たりとややオイリーなフレーバー、軽やかでスムースな味わいが大きな特徴です。ノンピート麦芽を使用しているため、一部のスコッチにあるようなピート由来のスモーキーな風味はありません。

ブラックブッシュはブレンデッドウイスキーに分類され、伝統の3回蒸留によるモルトウイスキーと、連続式蒸留によるグレーンウイスキーがブレンドされています。

ブッシュミルズ蒸留所の製法の特徴

ブッシュミルズが掲げる哲学はgrain to glass(穀物からグラスまで)です。

原料となる穀物の選定から仕込み、発酵、蒸留、熟成、そして最終工程のボトリングまで、すべての工程を管理する考え方を指しています。蒸留所内で一貫した品質管理を行い、安定した味わいのウイスキーを生み出しています。

使用される原料の大麦麦芽は100%アイルランド産で、すべてノンピート麦芽。仕込み水は蒸留所付近を流れるブッシュ川の水源である、セント・コロンバの泉から直接引いた天然水を使用しています。

ブッシュミルズ蒸留所 ポットスチル
Bushmills Whiskey Distillery Photo by Yves Cosentino
CC BY 2.0Wikimedia Commons

蒸留にはネックの細長い小型の銅製ポットスチルさ使用され、アイリッシュウイスキーの伝統である3回蒸留を行います。雑味が取り除かれ、軽やかでクリーン、かつ滑らかな原酒をつくられます。熟成にはアメリカンオークのバーボン樽を中心に、シェリー樽、ポートワイン樽、マディラワイン樽、ラム熟成樽といった多様な樽が使用されます。

ブッシュミルズ蒸留所 貯蔵庫
Bushmills Whiskey Distillery Photo by Yves Cosentino
CC BY 2.0Wikimedia Commons

ブッシュミルズのラインナップ

ブッシュミルズのラインナップを紹介します。

  • ブッシュミルズ
  • ブッシュミルズ ブラックブッシュ
  • ブッシュミルズ シングルモルト10年
  • ブッシュミルズ シングルモルト12年
  • ブッシュミルズ シングルモルト16年
  • ブッシュミルズ シングルモルト21年

ブッシュミルズ

ブッシュミルズ

ブッシュミルズのフラッグシップで、3回蒸留をしたモルト原酒にグレーン原酒をブレンドしたアイリッシュブレンデッドウイスキーです。モルト原酒の比率は50%で、軽い口当たりとフレッシュな果実の味わいが楽しめます。

ブッシュミルズ ブラックブッシュ

ブラックブッシュ

モルト原酒の比率は80%以上のブレンデッドウイスキーで、モルト原酒はオロロソシェリー樽とバーボン樽で最長7年間熟成されています。オロロソシェリー由来のふくよかな甘み、フルーティさが堪能できるのが特徴です。

ブッシュミルズ シングルモルト10年

ブッシュミルズ シングルモルト 10年

ノンピート麦芽でつくられたアイリッシュシングルモルトです。3回蒸留を経た原酒をバーボン樽とオロロソシェリー樽で最低10年以上熟成させています。青リンゴやハチミツ、バニラといったスイートな味わいが複雑に絡む、飲みごたえのあるアイリッシュウイスキーです。

ブッシュミルズ シングルモルト12年

ブッシュミルズ シングルモルト 12年

最低12年熟成された原酒が使用されたシングルモルトウイスキーです。3回蒸留でつくられた原酒をオロロソシェリー樽とバーボン樽で熟成させ、その後マルサラワイン樽でさらに熟成させています。心地よい甘み、複雑な余韻が味わえます。

ブッシュミルズ シングルモルト 16年

ブッシュミルズ シングルモルト 16年

オロロソシェリー樽とバーボン樽で長期熟成した原酒をブレンドし、さらに6〜9カ月間ポートワイン樽で熟成させたシングルモルトウイスキー。甘いスパイス、ダークチョコレート、ローストナッツといった奥行きのある味わいが楽しめます。

ブッシュミルズ シングルモルト 21年

ブッシュミルズ シングルモルト 21年

オロロソシェリー樽とバーボン樽で最低19年間熟成させた原酒をヴァッティングし、その後マディラワイン樽で2年間熟成させた贅沢なシングルモルトウイスキー。長期熟成による芳醇さと深い甘みが特徴です。

最後に

アイリッシュウイスキー

アイリッシュブレンデッドウイスキーである、ブラックブッシュを紹介しました。

モルト原酒比率80%という贅沢な配合と、オロロソシェリー樽で熟成された原酒がブレンドされたプレミアムなウイスキーで、豊かなフルーツの香りとスムースな飲み口が特徴。ストレートやロックでも楽しめ、ハイボールにすれば食中酒として幅広い料理に合わせられます。

アイリッシュ伝統の味わいが手頃な価格で楽しめるブラックブッシュは、デイリーウイスキーにもおすすめです。ぜひ一度味わってみてください。

ブラックブッシュは高モルト比率のブレンデッド|味わいと特徴を解説!

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